プロローグ
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たのよ」
スカーレットというのはクレアの契約精霊で火の力を宿す猫だ。
「ああ、スカーレットだったら……ほら、ここに」
俺はソファの一角を指差す。
そこには丸まって寝息を立てる猫の姿がある。この猫がスカーレットだ。
「ああ、ここにいたのね。ビックリしたわ……」
どうやら本当に抜け出してこのソファで寝ていたらしい。
「イッセーさん。他の子達を起こしてきてくださいませんか?そろそろ朝食が出来上がりますので」
「ああ、わかった。クレア、準備を手伝ってやってくれ。それくらいなら出来るだろ?」
「バカにしないでよ!」
そう言って意気揚々と台所に向かうクレア。
俺はそれを見届けて他の女の子達が寝ている寝室に向かう。
まず、俺の家の構造を説明しておこう。
俺の家は……異様に大きい。何でかは知らないが大きい。他の家などと比べるのもおかがましいほどだ。
それに比例して部屋の数も多い。
まあ、二人で一つの部屋を使っているところもあるが……リンスレットとクレアがいい例だ。
「アーシア。起きてるか?」
『あ、はい。起きてます。今着替えてるんで大丈夫です』
「わかった。じゃあ行ってるな」
アーシアを起こして次の部屋に向かう。
向かった部屋の壁掛けには外出中という木札が立てかけられていた。
「エリスもフィリアももう学園に行ったんだ……まあ、仕方ないか。フィアナとエリスは風紀委員だしな」
俺はそう結論づけて次の部屋に向かう。
この家の中で最大の難関……こいつだ。
ドアの前には「レスティア&エスト」と書かれた木札が立てかけられている。
「エスト〜?起きろ〜」
『ふわ……』
おそらくは今、起きたのだろう。
「おはようございます、イッセー」
「ああ、おはよう……エスト?何で何も着てないんだ?」
そう、目の前にいる銀髪の少女、エストは何も羽織っていないし何も着ていない。
要するに……裸だ。だがなぜか黒のニーソックスだけは着けている。
「私はいつも寝ている時は何も着ていません」
「起きたんだからちゃんと着ろ。それと朝食が出来たから降りてこい。今日は豆腐のみそ汁があったぞ」
「……!オトーフ、オトーフ……!」
そう言ってドアを閉めて数秒で出てくるエスト。
「準備は出来ました。早く行きましょう」
「お前、本当に豆腐の事になると見境なくなるよな……」
「……闇精霊、早く私にオトーフを献上してください」
「そんな事を言う子にはみそ汁をあげないわよ?」
「……オトーフを人質に取るとは……!」
いや、豆腐を人質ってわけわからんからな?
「ほら、座れ。飯食うぞ?」
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