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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
49:ボクの王子様
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「実はな、死神の正体は《大男》だったというデマを広めてくれたのも、ミストユニコーンは絶滅したからもう狩るのは諦めろとプレイヤー達に拡散してくれたのもコイツだ」
「は……」

 それを聞いたユミルの動きがピタリと静止する。

「さらに言うと、お前の指輪の……形見アイテムがプネウマの花で変化する件の情報を、アインクラッド中調べ回ってくれたのもコイツだ」
「ひ……」

 さらにそれを聞いて目を丸くする。

「そして……昔から中層や下層プレイヤーに向けた、SAOのあらゆる情報を提供している《ガイドブック》を書いてるのもコイツだ」
「ふ……――へぁっ!? い、今なんて!?」

 そしてまんまるの目をそのままに、ここ一番に大きなリアクションを見せた。

「にゃハハ、気付いたようだナ」

 アルゴもここみよがしに笑う。

「ま、まさか……」
「そう……あの時、落とし穴で傷ついたルビーを救った本……《モンスター別攻略本》の著者も、コイツだよ」
「キミが……あの本を……」

 今にもぽかんと開いた口に手を当てそうなユミルに、アルゴは少しばかり自慢げに胸を張っていた。

「他にも細かい後始末の仕事をコイツは引き受けてくれている。……どうだユミル? アルゴが今回の影のMVPだっていうのも、まんざら嘘じゃないだろう?」
「う、う……」
「コイツは仮にも、かつてルビーを救ってくれた恩人なんだ。だから、もう少し見る目を変えてやってもいいんじゃないか?」
「…………う〜っ……!」

 ユミルは駄々っ子のような声を出す。その口の端は、どんな表情を彼女に向けるか迷っている風にぴくぴくと震えていた。
 どうやらユミルは、アルゴをかつて使い魔を救ってくれた恩人として見るか、初対面の怪しい赤の他人として見るかを葛藤していたようだが……

「……〜〜っ」

 悩みながらも再びマーブルの後ろに半身を隠した。どうやら後者の結論に至ったようだった。
 それを見たアルゴはよよよ、と実にわざとらしい泣き真似をした。

「なーんダ冷たいナ〜。オネーサン、悲しいナ〜。……お前さん、もうオイラに寝顔も晒してくれた仲じゃナイカ」
「は、はぁ……? だっ、誰がキミみたいな怪しいヤツに寝顔なんかっ……!」
「じゃあ、ホラ……コレな〜んダ?」

 アルゴはごそごそと懐から一枚の写真を取り出した。
 そこには……あらかわいい。マーブルの宿の部屋のベッドで、すやすやと眠っているユミルの寝顔がバッチリ映っているではありませんか。
 それを見たユミルの顔が、まるでライターを点火したかのようにボッと一瞬で真っ赤に染まる。
 おまけにその写真をよく見れば、その枕元付近には椅子に掛ける俺の下半身も端っこに少し写っている。……恐らく、ユミルがあれから
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