49:ボクの王子様
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の前の人物。
男であるが、綺麗な金髪碧眼。整った愛らしい顔立ち。小柄で華奢な体。誰が見ても紛うこと無き美少女。
……しかし、男である。
――――システム上では。
俺はマーブルを見る。すると彼女もあんぐりと開けた口を手で隠していて、俺の視線に気づくとふるふると首を横に振った。アスナ達は言うまでもなく揃って驚愕の面持ちでユミルの背を凝視していた。
「お、お前っ……!? まさか本当に、お、女だったのかっ!?」
つい大声になってしまった俺の問いが村をこだまする。
そしてユミルはくるりとこちらを振り向き……
そして、その真実を口にした。
<i2003|7750>
「――――どっちだと思う?」
ユミルは手を合わせて、ふわりとはにかむように笑った。
とびっきりの、花が咲くかのような笑顔だった。
眩暈がした。
可愛すぎて、もうなにも言えなかった。
しかしユミルは言った。
どっちだと思う? と。
そんなの……
俺は改めてユミルの姿を見る。
つやつやの金髪は長めのボブカット。翠の目に縁どられた長い睫毛。あどけない小鼻。実に実に柔らかそうな桃の唇。まだまだ幼い顎のライン。
しかし。
斧を振りまわす人見知りの勝気な性格。一人称はボク。なによりアバターの性別は男。
しかししかし。
相手はどう見ても美少女。可愛らしいソプラノの美声で歌う趣味まで持っている。
いやしかししかし。
あいつは男として扱って欲しがっていた。それに俺は見た。ユミルの絶壁の胸部を。
いやいやしかし。
ユミルはまだ子供である。胸が全くないのも仕方が無い気もするし……成長しても胸の無いままの女性も居るにはいるだろうし……。
いやいやしかししかし。
顔は美少女でも実は男という人種がいるのは、現実でも稀にあることだし……
いやいやしかしかしかかし。
ナーヴギアから男性と判定されたら、顔はともかく首から下は男性アバター準拠になって胸は無くなってしまうのかも……
……そうだ。
このままでは、どう考えてもユミルはどちらとも取れてしまうではないか。
…………………………。
そう。
そんなの……こんなの……
――どっちかなんて分かるわけないだろーっ!?
と、俺達が揃って心の中で絶叫したのが分かった。
試しにマーブルの方を見てみると、あの彼女が、両手で口に手を当てて無言の驚きを隠しきれない様を晒していた。
「ユ、ユミルッ!? あんた、実は女!? えっ!? 男だったんでしょ!?」
「さぁ?」
「し、失礼ですよリズさん! ユミ
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