第一章
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また交流戦でな」
「負けまくるっていうのね」
「そうなるぞ」
「今シーズンは大丈夫よ」
広島の調子からだ、千佳は言い返した。
「今年はぶっちぎりでね」
「交流戦もっていうんだな」
「パ・リーグなんて怖くないわよ」
少なくとも千佳はこう思っている。
「そうね、交流戦優勝の時のお祝いの用意をしないと」
「何処まで浮かれてるんだ」
「阪神は可哀想だけれど二位ね」
「馬鹿、優勝するのはこっちだよ」
寿も阪神を愛している、それならこう言うのが当然だった。とにかく千佳は広島東洋カープの好調にこの上ない程上機嫌だった。
これは家でだけでなく学校でもだった、真っ赤なグッズに身を包みしゃもじさえ持ってクラスメイト達に言うのだった。
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