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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第58話 別れ、そして約束
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収まると、イリナも恐る恐ると言った体でポツポツと話し始めた。
「えと、あの……こういうのって今までなかったから何と言っていいのか分からないんだけど……皆さんには感謝しています。特に火織ちゃんと龍巳さんには。その……今更ですけど、私とゼノヴィアだけじゃコカビエルには勝てなかっただろうってことがこの短い間でよく分かりました。多分、私達だけだったら今こうして生きていられなかったと思います。それに、皆さんも悪魔なのに教会の戦士の私達にこんなに良くしてくれて……」
そう言ってイリナは一旦言葉を切ると……その瞳から涙が一筋頬を伝った。
「でも……私は教会の戦士で……悪魔は私達の敵で、でも……でも皆さんとはもっと一緒にいたいって、そう思っちゃって………………でもそれは、許されないことで……でも……でもぉ…………」
そこから先は言葉にならず、イリナは鼻をすすりつつ涙を拭き取る。皆もそんなイリナの言葉を受けてしんみりした空気になった。
「ご、ごめんなさい! え、えと、その…………ゼノヴィア! あとお願い!」
そこでイリナは限界だったのかゼノヴィアにバトンタッチ。そのゼノヴィアは持っていた皿をテーブルに置くと神妙な顔で口を開いた。
「……教会の戦士たる私にとって、悪魔は等しく滅すべき敵だ」
『『『っ!!』』』
その言葉に部屋の空気が凍りつく。部屋の空気が軋んだ、そんな音がした気がした。そっか、仲良くなれたと、そう思ってたんだけどな。やっぱり原作通りに事が運ばないと和解なんて無理だったのかな。私が余計なことをしたから……。
「だが……」
……? そんな、どうしていいのか分からない空気の中で、それでもゼノヴィアは言葉を続ける。けれども先程の神妙か表情はどこへやら、頬を赤らめつつ弱り切ったような表情をしていた。
「その、なんだ……それはあくまで教会の戦士として、つまり仕事中の話であって……」
そして私達から目線を逸らしつつ、その後に続いたのは私達が悪魔で無ければ聞き逃してしまいそうなか細い声だった。
「………………プライベートは、別だ」
………………
………………………………
………………………………………………ぷっ
ゼノヴィアが、あのゼノヴィアが……
「にゃ〜っはっはっは! ゼノヴィアがデレた!!」
「なっ!? デレ……ッ!?」
あの、あのゼノヴィアがまさかの真っ赤に! そんなゼノヴィアに先ほどまでの空気もどこへやら、皆の口角が少しずつ上がり始める。
「『プライベートは、別だ』にゃって! にゃひひっ」
「わ、笑うなぁっ! えぇ〜いっ! やっぱり滅してやろうかこの
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