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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第58話 別れ、そして約束
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うにして潤んだ目で俺を見つめるイリナ。そしてその顔が、昔の思い出の中のイリナと重なった。
『約束ね、イッセーくん!』
……そうだ、思い出した。確か、俺と火織とイリナ、3人でよくチャンバラごっこをして遊んでたんだけど、当時から道場に通ってた火織には1回も勝てなくて、それで……
「どっちが先に火織より強くなるか、勝負してたんだっけ? それで先に強くなった方は………………あれ?」
ヤバッ、その先は何だったっけ?
「あはは、その先は覚えてないんだ」
「すまん、流石に10年近く前だからさ」
「私は……ちゃんと覚えてるよ?」
「うっ……マジですまん」
責めるように俺を軽く睨むイリナ。けど彼女はすぐに許すように微笑むと
「まぁイッセーくんならしょうがないかな? 昔からお馬鹿だったもんね?」
「ってお前昔からそんなこと思ってたのかよ!? いや忘れた俺が悪いんだけどさ!? ……で、結局約束の続きは何だったんだ?」
「うーん、教えてもいいんだけど……」
顎に人差し指を当て悩むイリナは俺のことをチラッと見ると、悪戯を思いついた子供のように微笑んで
「勝負がついたら、その時に教えてあげる!」
と、楽しそうに笑った。
「あとそうだ、イッセーくん! 火織ちゃんの一番弟子は私なんだからね? だって私、幼稚園の頃に少しだけど火織ちゃんに剣道教えてもらってたんだから! だから勝負の方も負けないんだからね!」
……なんて一幕があった。しっかしそう考えるとイリナもあの頃から剣道やってたのか。通りで強いわけだぜ。
「そろそろ離陸ね」
隣の火織は呟く。今俺達は皆でスカイデッキに出ていて、今にも飛び立とうとしている2人の乗った飛行機を眺めていた。
「なぁ火織」
「ん?」
「前火織言ったじゃん? 家族と幼馴染、どっちかを取るなら幼馴染と仲違いしても家族を取るって」
「……えぇ、言ったわね」
「正直それは間違ってないと思う。けどさ、やっぱり俺はどっちも諦めたくねぇよ」
「……えぇ、それでいいと思うわよ。っていうかあの時はあぁ言ったけど、私だって幼馴染と仲違いしたくなんか無いんだからね? イリナだって大切な幼馴染なんだから」
「……なんか方法、ねぇのかな?」
「強くなりなさい」
「……え?」
「悪魔の世界は実力主義。なら、我が儘を押し貫けるくらい強くなりなさい」
っ!! そうか、今の悪魔の世界なら下級悪魔の俺でも実績をつめば上級、いや、頑張り次第では最上級だって……。そんで魔王さまにも意見言えるくらいになって、悪魔も教会も、さらには墮天使も加えて皆で仲良くできれば! そうだよ! 俺だってイリ
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