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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第58話 別れ、そして約束
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「しかし……一体何の用だろうな?」
「さぁ、何だろうね?」
火織ちゃんの九刀流や白龍皇の来襲、そしてその後のエクスカリバーの破片集めなど、激動の一日が明けた次の日。私とゼノヴィアは朝からリアスさんに借りていた部屋の掃除や教会本部へと連絡を済ませ、明日搭乗の飛行機に向けて荷造りをしていた。そして一段落ついた昼過ぎ、そろそろお昼ご飯にしようかなという時、リアスさんから急にオカルト研究部の部室に呼び出されたのよね。それにしても……
「悪魔の呼び出しだっていうのに私達なんの疑問も警戒もなく来ちゃったわね」
「言うな、自覚はある」
そう、今までの私達なら悪魔からの呼び出しなんかには絶対に応じなかっただろうし、例え行ったとしても警戒しないなんてことはありえなかった。なのに今の私達ときたらなんの備えもなしにオカ研の部室に向かってるのよね。格好も私服だし、エクスカリバーだって部屋に置きっぱなし。まあ、ゼノヴィアはデュランダルを異空間に納めてるから何かあればすぐ出せるけど、それでも襲われたら一溜まりもない。……んだけど、正直今更彼女たちを警戒する気なんてないのも事実。
正直教会の戦士としては失格だと思う。でも今更彼女たちに剣を向けるっていうのは……多分出来ないと思う。たとえそれが背信行為であったとしてもね。もし教会から彼女たちの抹殺命令を受けたら……どうしたらいいのか私には分からない。
でも……この慣れ合いも今日で終わりにしなきゃいけない。私達は教会の戦士で彼女たちは悪魔、どのみち相容れない存在。それに当初は助けようとしていた火織ちゃんやイッセーくんも、その必要がないってことをこの2週間で思い知った。当初は黒歌さんに龍巳さん、白音さんに騙されてるものだとばっかり思ってたけど、本当にお互いがお互いを大切に、家族として愛し合ってるんだなってよく分かったから。
だから……もう今後は二度と会わない方がいいんだと思う。お互いのためにも。次に会うときには……きっと殺し合わなきゃいけないんだと思うから。
『イリナ、絶対に離すんじゃねぇぞ!』
あの時、火織ちゃんの持つエクスカリバーを押さえつけてた時にイッセーくんの腕が回されていたお腹に手を当てる。あの時の感触、まだしっかりと残ってる。……イッセーくんの手、暖かったな。
「イリナ、どうした? 大丈夫か?」
「……え?」
考え事をしている間に、いつの間にかぼやけた輪郭のゼノヴィアが心配そうに私の顔を覗きこんでいた。……ってぼやけた? っていうか私いつの間にか涙ぐんでる!?
「な、なんでもないわ!!」
ゼノヴィアに背を向けて袖で涙を拭き取る。な、泣いてなんかいないんだからね!?
「ならいいが……部室についたぞ?」
「へ
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