暁 〜小説投稿サイト〜
美しき異形達
第十三話 向日葵の紹介その三

[8]前話 [2]次話
「その人よ」
「ではお話が早いですね」
「余計にね、いや都合がいいわ」
 向日葵は桜との話もあって笑顔で言った。
「本当に」
「だよな、向日葵ちゃんの友達でな」
「私との縁のある方で」
「話が早いよ」
 薊は桜の言葉も受けながら言うのだった。
「今の状況は」
「そうですね。では」
「うん、明日その娘紹介するからね」
「お願いします」
「そういうことでね。ただね」
 ここでだ、向日葵はこんなことを言った。
「その娘のお家の場所がね」
「この町だろ」
「そうだけれどね」
「何かあるのかよ」
「商店街にあるからね」
 その娘の家は、というのだ。
「そのせいか茶道の家元さんの家にいても結構賑やかな娘なのよ」
「商店街の雰囲気そのままか」
「そう、、駅前の商店街ね」
 そこのだというのだ。
「スタープラチナとかマジックのある」
「ああ、あそこ確かに賑やかだからな」
「そう、その中で育ってきたから」
 だからだというのだ。
「結構ざっくばらんなところもあるわよ」
「そうなんだな」
「礼儀作法はちゃんとしてるけれど」
 それでもだというのだ。
「結構ね」
「ざっくばらんか」
「そうなのよ、全体的にね」
「じゃああたしみたいな感じか」
「薊ちゃんはざっくばらんっていうか男の子でしょ」
 向日葵は薊に対して笑ってこう返した。
「男まさりっていうか」
「あたしはそっちか」
「ボーイッシュっていうかね」
 にこりとした笑顔でだ、向日葵は薊に話すのだった。
「そんなのだから」
「その娘はざっくばらんか」
「そうなの」
 そうした性格だというのだ。
「付き合いやすい娘よ」
「だといいけれどな」
「何かね、その娘も孤児だったけれど」
「今は茶道の家の娘さんか」
「養子さんになった事情は桜ちゃんのところと同じよ」
「跡継ぎですね」
「そうした家元のお家もあれじゃない」
 向日葵は笑顔で話す。
「跡継ぎさんがいるでしょ」
「それはお寺もだよな」
「そうそう、お寺も神社も教会もね」
 そうした宗教関係もだというのだ。
「だから私もお兄ちゃんがいないとね」
「向日葵ちゃんが尼さんになってかよ」
「いや、尼さんにならなくてもいいけれど」
「それでもかよ」
「お婿さん、お坊さんのその人を迎えないといけなかったのよ」
 彼女にしてもそうなっていたというのだ。
「もっとも多分私何処かのお寺に嫁入りすると思うけれど」
「跡継ぎの問題ってあるんだな」
「まだね、だからね」
「その娘もなんだな」
「そうなの、ご両親に子供がいなくてね」
「それでなんだな」
「そのお家のご両親は結構なお歳ですからね」
 桜もこう話す。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ