第十三話 向日葵の紹介その一
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第十三話 向日葵の紹介
力を持つ少女達は五人になった、その五人と裕香は今は智和の屋敷に招かれていた。向日葵はその屋敷の中に入ってその中を見回しながらこんなことを言った。
「うわ、凄いね」
「先輩の家って凄いだろ」
「びっくりする位よね」
薊と菊がその驚いている向日葵に微笑んで声をかけた。
「お金持ちなんだよ、先輩って」
「所謂御曹司なのよね」
「何でも祖父さんが天才科学者でな」
「特許を幾つも持っててその収入のせいらしいのよ」
「ふうん、そうなのね」
中を見回しつつだ、向日葵は二人に応えた。
「だから先輩お金持ちなのね」
「頭はいいしお金持ち」
「しかも背は高いし顔もいけてるしね」
「考えてみたら先輩ってスペック高いよな」
「女の子にももてそうね」
「ははは、実はこれがね」
その智和が一行の案内役を務めているがだ、彼は笑ってこう二人に返した。
「違うんだよ」
「あれっ、じゃあ先輩は」
「彼女とかいう人は」
「いないよ」
そうだというのだ。
「一人もね、今までもね」
「へえ、それは意外だな」
「先輩位の人がですか」
「彼女いないんだな」
「そうなんですね」
「まあね。僕も男だし欲しいとは思うけれど」
それでもだとだ、智和はこのことについては苦笑いで述べた。
「縁がないんだ」
「縁なあ」
「それは自分で掴むものですよ」
薊と菊は苦笑いの智和に少し真面目な顔になって言った。
「まああたしも彼氏とかいないけれどな」
「私も今は」
二人共、というのだ。
「先輩も頑張ってくれよ」
「彼女のことも」
「そうしないとね。それじゃあ」
「あの応接室ですね」
裕香がこれから行く場所についてだ、智和に尋ねた。
「そうですね」
「いや、そこじゃないよ」
「別の場所ですか」
「七人いるからね。あの部屋では狭いから」
「他の場所で、ですか」
「食堂に行こう」
そこでだというのだ。
「お茶を飲みながら話をしよう」
「食堂ですか」
「うん、そうするよ」
こう裕香に話す。
「もうお茶菓子も用意しているからね」
「じゃあ今からそこに入って」
「お話をしよう」
こう話してだった、そのうえで。
七人は智和の案内で屋敷の中の食堂に入った。そこはまるで宮殿の食堂の様に見事な部屋だった。長方形のよいテーブルがある。
そのテーブルにだ、智和は裕香を入れて六人で座った。そうしてだった。
すぐ紅茶とお茶菓子が来た、その菓子はというと。
クッキーだった、バニラにチョコレート、ナッツが入ったものもある。向日葵はそのクッキーを見て笑顔で言った。
「いいですね、クッキーですか」
「うん、紅茶にも会うからね」
「じゃあ今からで
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