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オズのモジャボロ
第九幕その八

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「スパゲティに大蒜とチーズは欠かせないですね」
「その二つを入れると味が違うのよね」
「はい、それで全く」
「だからなのよ」
 このナポリタンにもだというのです。
「入れているのよ」
「そうですね、だから」
「たっぷりと食べましょう」
「何か量が減らないですね」
「食べたいだけ出て来るから」
 そうだというのです。
「だから」
「それではですね」
「お腹一杯食べましょう」
「ジュースもあるよ」
 モジャボロはこれも出してきました。
「蒲萄ジュースがね」
「ワインじゃないんですね」
「それとは」
「ははは、子供は飲めないよ」
 お酒はというのです。
「だからだよ」
「やっぱりですか」
「僕達はですね」
「そう、飲めないからね」
 だからだというのです。
「だからジュースだよ」
「わかりました、それじゃあ」
「蒲萄ジュース頂きます」
 五人もこう応えます、そしてです。
 ドロシーもです、その蒲萄のジュースをモジャボロから貰ってそのうえで楽しく飲みながらこう言うのでした。
「オズの国にもお酒はあるけれど」
「ドロシーさん達はですね」
「飲まないですね」
「子供だからね」
 それでだというのです。
「飲まないわ」
「そうですよね、やっぱり」
「お酒は」
「そう、子供は飲まないわ」
 こう言うのです。
「あとかかしさん達もね」
「ですよね、元々飲む必要のない人もいますし」
「ですから」
「そう、オズの国ではお酒を飲む人は少ないかもね」
「それは信じられないことですね」
 ナターシャがこう言う理由はといいますと。
「ロシアですとそれこそ皆飲みますから」
「皆なのね」
「子供はともかくとしまして」
「大人は皆飲むの」
「飲まないとやっていけないです」
 それがロシアだというのです。
「寒くて」
「ああ、アラスカも昔はロシアだったけれどね」
 モジャボロがここでこう言いました。
「寒いからね」
「ロシアはとにかく寒くて」
「それでだね」
「はい、お酒を飲んで温まらないと」
「とてもだよね」
「やっていけないです」
 ロシアの寒さはそこまで凄いというのです。
「何しろ吐いた息が凍りますから」
「そうそう、アラスカでもだよ」
「ウォッカは欠かせません」
「ロシアだとそうだね」
「けれどオズの国ですと」
「いつも暖かいからね」
 それがオズの国です、いつも春なので。
「お酒を温まる為に飲む必要はないね」
「だからですね」
「楽しみとして飲んでるんだ」
 飲む人はというのです。
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