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道を外した陰陽師
第二十五話
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ま各自教室へと向かうことになった。

 ・・・今の陰陽師課の方針は、実力主義。
 卵であれ何であれ、力あるものには相応の地位を。一輝の・・・正体不明の第三席の地位は、その象徴ともいえるものだ。
 そして、それを提唱した闇口光也・・・私や一輝の後見人が今の地位に就いたのはちょうど八年前。陰陽師が卵であれ、本格的に修業を始める年齢は平均的に見て大体十歳前後なわけで・・・

「カズ君、いい感じに皆のやる気を出してきたね〜」
「ああ・・・変なところで器用なやつだ」

 無意識のうちのカリスマ性か、人たらしの才でもあるのか。
 最後のあのセリフは、効果が大きすぎる。

「ところで・・・殺女は参加するのか?」
「ん、私?私はしないよ〜。・・・カズ君には、手加減してもらわないと勝てないし」

 防音の結界をかけてから、殺女はそう呟いた。

「・・・そうなのか?」
「うん。カズ君が初めて席組みの集まりに参加した日、サッキ―から下の七人対カズ君で模擬戦をやったんだけど・・・」
「・・・結果は?」
「・・・私たちの惨敗。それも、カズ君は剣術、体術、槍術・・・そういった技術だけを使って、ね」

 ・・・一輝が使うその辺りには、武器に呪力を纏わせるものもあったが・・・それも、強度を増す程度だったり塊をぶつける程度。
 それだけで席組みを圧倒したのか・・・そろそろ、人間やめてるって評価を下してもいいと思う。

「さしがに、カズ君も無傷ってわけにはいかなかったし、何回か行けそうなときはあったんだけど、ね。結局はみんな戦闘不能にされちゃった」
「懐かしい話をしてるな、二人とも」

 いつの間にか後ろにいた一輝に、もう私は驚かなくなってきていた。
 あれだな、もう何を出来ても驚くに値しない。

「まあなんにしても、あの時はちょっとおかしくなってたからな・・・二つとも使わずに、なんてのはバカのやることでしかない」
「・・・二つ?」
「ああ、二つ。・・・って、雪姫は知らないんだっけか」

 何のことを言っているんだ・・・?

「カズ君、最近はあれあんまり使ってないからね〜」
「いや、ほんの一昨日までは移動手段として使ってたぞ?」
「移動手段・・・?あの、水に乗っていたやつか?」

 それなら、見覚えがあるが・・・

「ああ、それそれ。正確には、あれだけじゃないんだけど」
「・・・あれは、水行符によるものだと考えていたんだが・・・」
「カズ君のあれは、違うよ。水行符を混ぜたわけでもないし。ユッキー見たことない?カズ君がペットボトルの中の水を操るところ?」
「・・・ああ!」

 それは、心当たりがあった。
 初めてあった日に、大本に乗り込むとき・・・そんな仕組みかとは思っていたが、確かにペットボトルの
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