第二十三話
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入学式・・・ってか始業式の日の朝、ものすごくドタバタしていた。
それはもう、ドタバタしていた。
「もうあと二十分しかないよ!二人とも急いで!」
「口を動かしてないで手を動かせ!」
「ってか、こんな時間になったのは殺女が起きなかったのが原因だからな!?」
しっかりと準備されていた朝食を食べ切ってから、二人は制服に着替えるために一度自分の部屋に戻る。
俺も、リビングにおいてある制服をTシャツの上から着て、ズボンは元々はいていたのでそれで終わりだ。が・・・
「ああもう、ネクタイ面倒くさい!」
「貸してください、やりますから」
どうにも、中学は学ランだったしネクタイなんてしたことがないので、ネクタイをとめられずにいた。
すると、穂積が俺の手からネクタイを取って付けてくれた。俺が緩めるだろうと予想してちょうど良く緩めに。
「ああ、悪いな穂積」
「お気になさらず。生前もよく弟がネクタイを出来ずにいたので慣れておりますから。食器等もわたくしがやっておきますから、準備を急いでください」
「なんか、色々悪いな・・・」
「それが仕事ですので。ただ、欲を言ってもよいのであればいつかここの外に出てみたいですね」
「OK。方法を探しとくよ」
今の発言が俺が気負わないように、というものだということは分かったのでそう返事をする。何か、方法があればいいけど・・・知り合いにも当ってみるか。
そんなことを考えながら渡された三人分の弁当を空間に穴をあけてそっと置き、仕事用の資料をまとめたかばんを放り込む。
最後に、財布とガラケーを一つ、スマフォを二つポケットに突っ込む。
ガラケーは鬼道の頃の俺を知っている人との連絡専用。
スマフォは、一つは仕事用。もう一つはプライベート専用だ。
そこまでしまってから、最後に武装を確認する。
「ライター、よし。チャッカマン、よし。水、500ml、1.5L、五本ずつよし。酸素ボンベに水素ボンベもよし。呪札にお札、五行符に式神も、数えきれないほどあるな。まんま武器は・・・全部置いてくか」
直接相手を殺すようなものは全て取り出してから小刀を一振りだけ戻して、穴を閉じる。
出したものを全て武器庫にしまって・・・と、そのタイミングで二人が降りてきた。ここまでで五分。あと十五分だな。
「二人とも、急ぐぞ。荷物渡せ」
「さすがに、初日からギリギリは避けたいからね〜」
「原因は殺女だろう・・・と、悪いな一輝」
「いいよ、俺が持つわけじゃないんだし」
二人の荷物も先ほどのものと同じようにしまってから靴を履いて、三人で家を出る。
「「「行ってきます!」」」
「はい、行ってらっしゃいませ」
穂積に見送られてから三人でアイコンタクトをとり
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