第二十二話
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いは知っている。席組み第三席で、滅んだとされている一族の生き残り。確かに、人に知られていい立場ではない。
それでも・・・人と付き合うことができない、というのはどういうことなのか。
「・・・なあ、一輝」
「ああ、そうだ。忘れてた」
声をかけたら同時に一輝がそう言って、ポケットの中から小さな包みを取り出した。
「それは・・・?」
「日ごろの感謝、みたいなもんだ。ほら」
そう言って私に渡してきた。
これは・・・なんなんだろうか?
「・・・開けてもいいか?」
「ああ、どうぞ」
許可をもらえたので開けていくと・・・雪の結晶をかたどったネックレスが入っていた。
「とりあえず、雪姫って名前から考えてみた」
「・・・ものすごく、単純だな」
「すいませんね、単純な思考しかできなくて」
「いや・・・うれしいよ。ありがとう」
お礼を言うと、一輝はネックレスを取って私の首にかけてくれた。
「どうだ、似合うか?」
「ああ、似合ってるよ・・・んじゃ、帰るか」
「そうだな」
結局、この時あの言葉の意味は聞けなかった。・・・うれしすぎて。
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