第二十二話
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いえ、一輝のようなランク持ち、殺女のような席組みと言ったものがあるわけではないからな。二人レベルの依頼を受ける権利があるわけでもないし、報酬もまた大した額ではないからな」
ちなみに、死人が少なくて済むように、ということで一人一人が受けられる依頼のレベルが決まっている。
ランクを持たない卵はDランクまで。ランクを持たない奥義持ちはCランクまで。ランク持ちの三十位まではBランクまで。残りのランク持ちはSランクまで。そして、席組みは課のランク付けを待たずに依頼を受けていいし、勝手に依頼を受諾してもいいし、他の人に対して依頼を受ける許可を出してもいい。ランク付けされた依頼なら、SSSSランクまで受けていい。つまりは、席組みは特権だらけである。
まあ、これだけやってもなお死亡件数は毎年トップな仕事なんだけど。
「それでも、この間俺の付き添いをしたときの報酬は結構な値段にするよう言っといたはずだけど?」
「・・・あの値段は、一輝の仕業か」
光也からは、絞り取れるだけ絞り取ればいい。
そういうわけで、元々Sランクの任務と同額(おそらく、口止め料も入ってる)だったものに一割追加させた。
「あれに関しては、手元に残したら金銭感覚が狂いそうだったのでな。一応、今の立場から外れた時のために貯めてある」
「ああ・・・なるほど。仕えるべき主も探さないとだしな」
「それに、いつまでも一輝の家に迷惑をかけるわけにはいかない」
「いや、雪姫が今やってるのは住み込みの仕事だからな?」
なんだかなぁ・・・正直に言うと、今出て行かれるのもそれはそれで困るんだけど。
今の状況に慣れてきている自分もいるし、(それでも、男女比1:3は不便なこともある)、光也からまた何か言われるだろうし、さみしくもなるからなぁ・・・
「ふうん・・・さみしく、なるのか」
・・・・・・・・・
「俺、途中から口に出してたか?」
「『光也からまた』の辺りからだな」
うっわー・・・恥ずい。本ッ気で恥ずい。
雪姫がニヤニヤ、といった様子で笑っているのを見ても、こんな表情できるんだ、とか思えないくらいに恥ずい。
「・・・まあ、そういうわけだからさ。そう、さっさと出て行く、とかはやめてくれ」
「ん、分かった。一輝が泣き出したりしたら大変だからな」
「そうそう、俺泣いちゃうかもな。席組みが号泣しますよ、っと」
そこでようやく雪姫の笑い方がいつも通りのものに戻ったので、話を戻した。
「それで、どっちにするんだ?」
「そうだな・・・どっちが似合うと思う?」
そう言いながら雪姫は目の前に並べられている二セットの組を示す。
それを見て俺が抱くのは、春らしいなーとか、やっぱり雪姫も女の子なんだなー、とかその程度になっ
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