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道を外した陰陽師
第二十一話
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我々に理解することのできる最上のお言葉だ。ただ人には理解できないはず」
「あ、やっぱあそこで止まってるんだ。いやはや、予想通りで何よりだ」
「答えよ、なぜ知っている」
「答える義理はない」

 言霊で喋らせようとしたみたいだけど、そんなもん効くか。
 たかが日本最高レベルの言霊の奥義を持つ一族程度が、鬼道に何かできると思うな。

「・・・まあ、でも。そうだな。言ってやった方が面白そうだから、答えてやるよ」
「・・・・・・・・・」

 よっぽど自信があったのか、一切効いていない様子に戸惑っている。
 そうそう、その顔が見たかったんだよ。

「あ、そうだ。その前に一つ聞いとくぞ」
「・・・何?」
「幹部クラスは、これで全員か?」

 誰も何も言わなかったので、肯定と受け取ることにした。

「よし、それなら話してやろう・・・鬼道星夜から直接習った。・・・原初ノ書も読んだぜ?」

 その瞬間、スーツ姿の女性が一瞬で刀を抜き、走りながら突きを放って駆け抜けた。

「・・・無礼な発言を悔い、死になさい」
「やだよ。ってか、どこが無礼な発言なんだか」

 俺がそう言った瞬間に、女性が持っていた刀が砕ける。

「な・・・今、何を」
「鬼道流体術、防ノ型八番、刃殺し。文字通り、刃を殺すための技だ。知らないだろ、これは」

 ちなみに、原理は単純極まりない。
 刀が当たる一瞬の間に呪力の塊をぶつけ、圧縮したものが解放した勢いで破壊する技。

「・・・今、鬼道流と」
「言ったぞ。つっても、これは書物の五号までの中に書かれている技じゃない。・・・お前たちには、理解のできない言語で書かれている技だ」

 ついでに、と俺も刀を抜き、先ほどやられた技を完全な形でやりかえす。
 速さを大体三倍くらいにして。

「・・・カハッ」
「これくらいの速さで正確に肋骨の間を通して心臓を貫く。これだけのことをしてやっと、鬼道流剣術、奔り、一ノ型、心殺を名乗れる。まだまだ足りねえよ」

 倒れていく女の後ろでそう言って、刀を振り血を払う。
 その後呪力を少し流し込んで、刀自体に血を吸わせる。こいつは妖刀。血は切れ味を上げる役目を果たしてくれる。

「・・・そう言えば、書を回収しておったな。読み、会得したか」
「さて、どうだろうな?・・・ああ、それと」

 俺は一度刀を納刀し、開いた両手で真後ろから迫っていたやつの襟を掴み、両足で蹴りあげる。

「ここにいる奴らは、一人も生きて返すつもりはない。全員この手で殺す」
「・・・それで、正義を成せると思ってるのか?」
「正義なんかじゃねえよ。一個人上の都合、ただ目障りだから殺すだけ・・・悪行でしかない」

 そう言った瞬間に跳び、先ほど天井にめり込ませ
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