第二十一話
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さすがに、友達や仲間に対して攻撃しても心が痛まないほどに道を外しちゃいない。
倒れてきた雪姫を抱きとめながらそう心の中で呟き、柱に雪姫を持たれかけさせる。
それでも、今回はこの間とは比べ物にならないくらいには、マズイことをする。本気で、人としての道を外してしまう。だから、雪姫は連れて行けない。形として連れてきたことにするには、ここまでで十分だ。
まだ寒いので俺の上着をかけ、何かあった時のために結界と攻、防一体ずつの式神を配置。
安全を確実なものにしてから、俺は玄関を破壊して中に乗り込む。
その瞬間には俺に向かって走ってきたやつがいて、何人かは例の名前が大量に描かれている本を持っていたので・・・一撃のもとに、全員の動きを封じる。
そのまま書物を取り上げて目の前で燃やし、次に来たやつらの対処をする。
一号以外は必要ない。だから・・・手加減は、いらないか。
そう考えて火、水、木、土、金の五枚の札を取り出し、円状に並べてから投げる。
「五行相生、輪廻。急急如律令」
オリジナルの術式の中でも最上の攻撃力を持つ術の一つを放ち、一気に片を付ける。
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「ったく・・・一切の邪魔をするな、って書いただろうが」
「元々、半信半疑であったのでな。最後の一文がある以上、可能性はあったのだが」
最奥の部屋の扉をぶち破ってから愚痴ってみたら、返事があった。
ふむ・・・十人、か。意外と多かったな。
「だからこそ、私たち以外に伝えることはできなかったわ」
「彼らには神の御姿を拝見する権利こそあれ、神のお言葉を拝聴する権利はない」
「そして、神の降臨が起こるのがこんなにも早いわけがない」
「だとすれば、今回僕たちの元に訪れるのは神のみつかいに他ならない」
「そこで聞くのは、神のお言葉のみ」
「さすれば、ここにいてよいのは我ら十人」
「いやしくも、今になって新なる神が何なのかに気付いたものではない」
「かつて、神のために集まりし時よりいるもののみ」
「すなわち、この十人のみである」
ふぅん・・・ご先祖様は、中々にいい仕事をしたみたいだな。
立場が高すぎて手を出せなかったやつと、その他九人。それ以外の信者をすべてどうにかしたみたいだ。
まあそれでも・・・たった二人しかいない生き残りの片割れに後始末を丸ごと任せることになったのは、どうかと思うけど。
「とはいえ・・・君からは、神のみ使いという気配をまるで感じないな。君、神徒かね?」
「ん?・・・ああ、勿論違うぞ。ヤタガラスの同類でもないし、あんたらが言う神から何か伝えるよう言われているわけでもない」
「ならば、なぜあの言葉を・・・いや、なぜあの言語を使える」
「あの最後の一文は、
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