第二十話
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百体以上の虫型式神が見聞きした情報を全て頭の中で処理していき、『鬼神ノ会』が関わっている建物を発見次第、残している虫型式神を一体展開、そいつに式符を持たせて出張させる。
そのまま建物の換気扇などから式符を投げ込ませ、遠距離から展開して建物を制圧していく。
最後に戦闘用の式神に入口を破壊させ、虫型の式神十体ほどで書物を回収。最後に祭壇を破壊してから式符に戻して、すべて回収していく。
本人は一歩も動かず、どんどん目的のものを回収していく。これだけの同時処理を出来るがゆえに、彼女は席組みに属しているのだ。
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匁は、ただ歩いていた。
目的の建物を発見して、開いていた入口から入り、ただ歩いていた。・・・否、歩いているように見えた。
当然、そこにいる者たちは全員が武器を構えていたが、それらは全て、構えた瞬間に細かく切り刻まれていく。
彼らは驚愕した。何せ、自分たちの前にいるのはただ歩いている少女一人だけなのだから。
ゆったりと、ゆっくりと。ただ歩いているだけにしか見えないのに、自分たちは攻撃されている。
そんな状況に戸惑い、冷静さがすべてなくなると、次には自分が攻撃を受ける。
不動金縛り。それのとても強力なものを受けて、バタバタと倒れていく。
そして、一人が何があったのかを、ようやく理解した。
「まさか・・・早すぎて、抜刀が見えないのか・・・?」
そう呟いた次の瞬間には、そいつも倒れた。
今匁が使っている刀。一振りは、販売すらされているような呪いが皆無に等しい妖刀。そして、もう一振りは匁の家に伝わる妖刀。銘はなく、『縛り刀』と呼ばれている刀だ。
その効果は、呪力を込めることによって金縛りの術式を発動し、斬撃を飛ばすことによって相手に術をかけることができる。
ただし、使うためには前提条件として斬撃を飛ばすことができるだけの実力、刀に対して呪力を込め続けられるだけの呪力量。そして、刀に精神を吸い取られないだけの精神力が必要となる。
仮にも、家に伝わるだけの妖刀だ。そこに、呪いが存在しないだけの理由がない。当然ながら、そこには呪いが存在する。
一瞬でも気を抜けば、精神を吸い取られて簡単に死んでしまうほどの。それこそ、帯刀している時ですら気を抜けないだけの代物だ。そんなものを扱えるよう、幼少のころから妖刀を扱わされてきたがゆえに、彼女には感情や表情というものが乏しくなっている。
だからだろうか。自分が倒した相手に見向きもせず、ただ淡々と目的の祭壇に近づいて書物を回収。祭壇を切り刻んでから、出口へと体を向ける。
そして、出口の目の前で一度、今回収した書物を見た。
それは、ここに来るまでにもいくつか回収していたものだ。それでも、彼女は小
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