第十七話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「また急ですね・・・何かありましたか?」
「そうじゃないんだけどね・・・どうせなら、ちゃんとした土地になってるほうがいいじゃない?」
「まあ、放っておけばいつか、土地が死にますからね」
そう言いながら、件の土地を眺める。
相変わらずの禍々しさだな・・・全然怖くないけど。
「それでも、俺に頼むよりは専門家に頼んだほうが・・・」
「そうしたら、ことごとく失敗しちゃったじゃない?だからいっそ、本当に強い人に頼んじゃおうかしら、と思って」
そう言えば、この人は俺のランクについてちゃんと知ってるんだよな・・・光也がいくつか話したし、席組みのことは気づいたらばれてた。
「まあ、そういうことならいいですけど・・・これほどとなると、さすがに無償の善意で、ってわけにはいかないんですよね・・・」
「いいわよ、それくらい。さすがに、こんなことをただ働きはしたくないでしょうし」
「いや、そうではなくて・・・」
あー・・・まあ、話しても大丈夫か。
「さすがに、ですね・・・このレベルをただでやると、上から何を言われるかわからないんですよね・・・」
「あら、そうなの?それならそうねぇ・・・ここの土地でどうかしら?」
「・・・貰うのは何かいろいろと面倒そうなので、格安で貸してください」
さすがに、未成年が土地を持つ、ってのは・・・うん。
後見人光也だし、何かと面倒そうだ。
「・・・いいのか、一輝?確か、この土地は・・・」
「まあ、大丈夫だろ。最悪、ここにとりついてるのをぶっ殺せば問題ないし」
ってか、ここに挑んだ最高ランクは三十二位。で、俺は三位。
その差は二十九。大して参考にもならない。
「それと、借りて何をする気だ・・・?」
「家を建てる。さすがに、このまま二部屋かりっぱってのもあれだし、ちゃんとした家ならわざわざ起こしに行くのに、家の外に出なくてもいいしな」
それに、湖札が帰ってきたときにちゃんとした家があったほうが見栄を張れる。
「そういうことなら、お願いしてもいいかしら?」
「OKです。依頼、受諾しました。・・・荷物、任せた」
雪姫に荷物を押しつけて、札だらけになっている入口に手をかけて、中に入る。
その瞬間、瘴気の球に襲われた。
なので、切り裂いてみた。
「ふむ・・・切れるなら、問題ないな」
大したことはない。せいぜい人間百人殺せる程度だ。
そのまま跳んでくるのを切り裂き続けて進んでいくと、次第に数も増えてくるが・・・正直、邪魔、という一言程度にしか感じていない。
いらいらしながら進んでいき、大体真ん中あたりについた。
そこには・・・
「お客様でいらっしゃいますか?ここまでたどり着かれた方は初めてございます」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ