第十六話
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?でも、考えてみて欲しい。席組みの人間は約半分が学生であること。そして、彼らはかなり頻繁に実戦を経験しているんだ。お前は席組みじゃないだろ?ああ、たしかにそうだ。けど、」
そこで、俺はライセンスを取り出す。
本当なら本物を使いたいところなんだけど、さすがにそう言うわけには行かないので普段使っているほう、偽物の方を取り出す。
「見えるやつはわかるだろうが、俺はランク持ち、日本第十五位だ。それだけでも席組みほどではないにせよ実戦を経験してるし、第九席、『金剛力』土御門殺女のパートナーだ。事実、かなりの実戦を経験しているし、命の取り合いだって何回もやってる。鵺や土蜘蛛クラスとも、戦ったことはある・・・何が言いたいか、分かるか?」
そして、一番言いたかった事を言う。
「家柄なんて関係ない。奥義が有るかどうかも、究極的にはそうだ。俺がそうであるように、何もなくても強くはなれる。諦めるな。なんでもいい。望みでも、誇りでも、恨みでも、執念でも何でもいい。卒業生も在校生も、常に強い意志を持って、これからを生きて欲しい・・・とまあ、柄にもない話をさせてもらった」
そこで俺は一つ苦笑いをして、
「以上を、答辞とします。卒業生代表、寺西一輝」
そう言った瞬間に結界を解き、放送室から出てきた殺女と合流する。
一瞬だけアイコンタクトを取って作戦を決定、壇上に登ってくる教師とは反対方向へと走って・・・そのまま、二人で跳ぶ。
体育館の窓に向かって跳ぶ俺達二人を追い越した影が窓を開けて、
「全く・・・なんで私まで、卒業式当日にこんなことをしないといけないんだ!?」
「まあまあ、楽しいだろ?」
「楽しいわけあるか!」
まあ事実、雪姫については無理やり巻き込んだ部分がないわけではないので何とも言えない。
そんなことを考えながら窓を飛び出し、俺が操る水に乗って脱出していく。
あー、楽しかった!!
========
あの後、卒業証書だけ学校に戻って受け取り、卒業生代表が毎年一言とともに名前を書いていっているらしい書類に『問題児・寺西一輝』と記してから帰っているところだ。
教頭はかんかんだったけど、なぜか校長と理事の人たちにはウケていたようだ。なぜだ・・・?
「あら、おかえりなさい三人とも。卒業式はどうだった?」
家に帰ると、大家さんが掃き掃除をしていた。
「どうだったもなにも、気疲れしかない・・・」
「まあ、楽しかったですよ?」
「ですね。たぶん、学校の歴史に代々語り継がれていくんじゃないかと」
とはいえ、いい歴史としてではないけど。
「なんにしても、中学校卒業おめでとう」
「ありがとうございます。高校もここから通う予定な
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