第十三話
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・」
「出来るんだよ、あの人は」
その言葉に、俺は驚きを隠すことが出来なかった。
それって、まさか・・・
「あの人・・・家を失った私を保護している人は、陰陽師の体を解剖してその力を取り出すことが出来る」
「まさか、そんなこと・・・」
「私だって信じられないさ。だが、仕事に失敗した同僚の力を、他の人間が使っているのを見てからは信じるしかなくなった」
それはまた・・・反吐が出るな、うん。
「・・・だったらなおさらだ。そんなヤツのために、お前が命を捨てる必要はない」
「だったら、どうしろと・・・このままここで暮らせとでも言うつもりか?」
「ああ」
「無理だ」
はっきりと言い返された。
「そんなことをしたら、私を消すためにさらに強い追っ手が出されるだけだ。向こうには、ランク持ちすら何人もいる」
「そんなの、大した問題じゃない。俺だってランクは持ってるし、殺女なんて第九席だ」
一応、嘘は言っていない。
ランクは持ってるし。嘘の方も本当の方も。
「ってか、それ以前に送り込むなんてことは出来ないしな」
「・・・何を、言って・・・」
「今から、そこに乗り込むぞ」
その瞬間、背中合わせになっていた雪姫が振り返る気配を感じた。
そこには、俺が携帯でメールを打っている姿が丸見えだったであろう。
「そのメールの内容・・・!」
「ああ。お前に対して暗殺を命令したヤツの情報、ようやく集まったみたいだな」
そう言いながら立ち上がり、空間に穴を開けてそこからペットボトルを取り出す。
「で、どうする?俺の家で帰ってくるのを待つか、このままついてくるか?」
差し出した手には、雪姫の手が重ねられた。
========
「こ〜ん〜に〜ち〜わ〜!!」
邪魔な扉をハンマーでぶっ壊して、中に入る。
ここまで来る間にも邪魔してくるやつが何人かいたけど、とりあえず一人残らず気絶させて置いた。
「何してるんだ、お前は・・・」
「何って・・・扉が開かなかったから壊しただけだが?」
そう言いながら入っていくと、中では札を構えていつでも攻撃できるようにしている連中と、その奥で偉そうにしているやつがいる。
「君、ここがなんなのか分かっているのか?」
「ああ。陰陽師課東京支部副所長の研究室。本庁の中とは別に持ってるから何やってるのかと思えば、こんなことやってたんだな」
札を構えてる連中を無視して中に入り、ぐるっと見回すと、様々な生体ポットに入った人間、妖怪の死体が。
なるほど、こうやって死体を保存して力を取り出してるのか。
「それで?たかが卵ごときが何の用かな?」
「あれ?何で俺が卵だ
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