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道を外した陰陽師
第十二話
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主と認めたただ一人の人間にこれを渡し、命を絶てと命じられるときにはこれを返却してもらう。そう言う、慣わしだ」

 そう言いながら、雪姫は力を込めていく。

「それでも、せめて最後には忍びらしく。これを使って死にたいんだ」
「それは・・・帰ったら、殺されるからか?」
「そうだ。今回の件、どうにも大きな件だったらしくてな。失敗者には死を、と言っていた」

 つまり・・・今回の件を命じたやつは、俺の正体をどちらかは知っている、ということだ。
 なら・・・これでいい。

「・・・私が死んだら、一つだけ頼んでいいか?」
「・・・・・・・・・」
「私の死体、どこかの山に埋めて欲しい。・・・いや、そんなことは無理か。迷惑をかけすぎてしまうな」

 そう言って再び微笑んだ雪姫に対して、俺は・・・

「ふざけるな」

 そう、言い放った。

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