第十二話
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とそうでない奴等、壁がないわけがないんだ」
ただし、この壁は一時的に越えることは出来る。
「次は?」
「席組みであるか否か、だ。正直に言うと、ランクもちの実力派ほぼ横ばいだと思ってる。・・・そして、席組みにいるのは化物だけだ」
「化物?」
「ああ。生まれ持った才能、無意識下にそれを使いこなす戦闘センス、そういったものをレベル1から装備してるような、そんなやつらの集まりだ」
あそこにいると、それがよく分かる。
例えば、使い方の一切分からない武器を席組みの誰かに渡したとしよう。
そして、その武器を使いこなせるプロと、渡されたばかりの席組み。その二人をその武器だけで戦わせたらどちらが勝つか。
普通なら、というか事実を知らない一般人ならまず間違いなくプロと答えるだろうが、そうではないのだ。
それは、俺自身がよく分かっている。
「・・・他にも壁が?」
「ああ、ある。・・・次の壁は霊獣以上の存在を単独で殺したか否か。今なら、第三席と第四席の間にある壁だな」
「それはどれくらいの?」
「人間の壁を越えたかどうか、の壁だ」
俺なら、霊獣白澤を殺すために本来人間が持つことの出来るはずの無い力を、白澤との戦いの中で使いこなせるようになった。
完璧にこの力を会得したわけではなくても、この力を使いこなせる、そんな状態。
「霊獣を一人で殺すのに必要なのは、人間をやめることだ」
「人間を、やめる・・・?」
「ああ。精神的に、肉体的に、能力的に。どれでもいいから一つ、人間をやめる必要が出てくる」
そして、それさえ出来てしまえば霊獣は殺すことが出来るようになる。
それこそ、百回やったら百回殺せるレベルまで。
「・・・それをなすと、どうなるんだ?」
「さあ?少なくとも、生き辛くはなるんじゃないか?」
周りとの違いに押しつぶされて、な。
まあ、俺の場合は身近なところに俺ほどではなくとも規格外がいるおかげで、まだましなのだろうが。
「そして、最後の壁は第一席と二席の間に有る」
「つまり・・・日本での一番の規格外は、第一席、『降神師』であると?」
「ああ。世界中で見ればあいつと同等の位置に立つやつは何人かいる。とはいえ・・・越えるやつは、一人いるかどうか、だけどな」
雪姫が何かを疑うような目でこちらを見ているので、俺は話を続けることにする。
「さて、それではここで問題だ。その壁を越えるには、何が必要でしょう?」
「・・・超えることは、出来るのか?」
「越えられない壁なんて、それは壁じゃないよ。何より、第三席の存在が超えられることを証明してるだろ?」
こういうとき、自分を引き合いに出すしかないのが少し面倒だな。
とはいえ、ここまで判りやすい例なんて無い
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