第十一話
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
、雪姫が反応して来た。
聞き流してくれた方が楽なのになー・・・
「ちょっと待て、なんだ?この猫は猫又なのか?」
「ああ。・・・つっても、正確には猫又になりそう、くらいのもんだけど。・・・この写真からすると、後三日、かな?」
確かそれくらいで、満月だったと思う。
満月、新月は妖怪にとって重要な意味を持つ。
その日なら様々な恩恵をえられるから、妖怪にもなりやすいだろうし。
「まあ、多分この猫もそれが分かってて家を抜け出したんだろうな。自分が塗りつぶされていく感覚、それを死の前兆と勘違いして」
ほら、猫って誰にも見つからない場所で死ぬって言うじゃん?
そんな感じだろう。まあ、なんにしても早いところ見つけないと。
「さて、と・・・まずは目障りなものをゴミ捨て場に捨てようかな?」
「何が言いたいのかは分かるが、やめて置け。余計に面倒になるだけだ」
「そうか?俺には、全部綺麗に潰せば面倒ごとなんてないと思うけど」
そう言いながら見るのは、謎の布教活動をしている宗教団体。
その名前にも、聞き覚えは無い。
そもそもなんだ、神の一族の光臨を願いましょう、って。どんな一族だよ。
彼らは死んだのではない、一度天に帰ったのだ、って。
「はぁ・・・まあいいや。何か問題があるなら他の団体が動くだろうし」
「そうだろうな。・・・あ」
雪姫が何かを見つけたかのように声を上げたので、俺は立ち止まって雪姫が見ているほうを見る。
そこにあるのは、先ほどの宗教団体の車と・・・その先にいる猫の姿。
その尾は二つに分かれ、特徴は張り紙が有った猫に似ている・・・
「ようやく見つけた・・・ちょっと行ってくる」
「・・・は!?」
俺は驚く雪姫を放置して走り、猫のいる位置まで近づいて抱き上げる。
うん、性別も一致するし・・・尾が増えてること以外は、完璧に一致だな。
「オイ、小僧!さっさとどけ!ってか手を離せ!」
にしても、こんなに早く尾が分かれてるとは・・・あ、一本に戻った。まだ不安定で、どっち付かずになってるんだな。
「聞いてんのか!?」
「ん?・・・ああ、ゴメンゴメン」
「軽いな!?」
俺はようやく、今の状況を思い出した。
俺は猫を発見して、その瞬間に車の前に飛び出した。
そして、そのまま発進し始めていた車を片手で押さえ込み、そのまま猫の観察をしていたのだ。
無意識って怖いな・・・結構面倒な力のコントロールとか、さらっとやってたぞ・・・
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ