第十話
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奥義を習得した家族、まだ奥義を習得していない家族を皆殺しにされ、一人残された。
で、そのまま幼馴染だった父さんと結婚することになった、だったはず。詳しくは覚えてない。
「そう言うわけで、俺にはそんな差別意識はない。オマケに殺女もそのあたりは気にしてなかったりする」
「それと本人の性格とは全く関係ないからね〜」
そう言いながら殺女は雪姫の目を覗き込む。
「な、なんだ・・・」
「ふんふん・・・うん!」
「!?」
殺女は何か納得したように頷くと、急に抱きついて頬ずりし始めた。
「よろしくね、ユッキー!」
「ユ、ユッキー!?」
よし、殺女があだ名で呼んだってことはそこまで問題はないみたいだな。
少なくとも、少し前の俺みたいな様子は無い。信用してもそこまで問題はない、ってことだ。
「さて、と・・・とりあえず、今日は学校には行けそうに無いな。殺女、学校にはテキトーに言っといてくれ」
「はいはーい。カズ君はお人よししてます、って言っとくね!」
お人よしって・・・そんな大層なもんじゃないんだけどな。
ただ単に、気に入らないから大暴れしたいだけだし。・・・大暴れできるだけの相手かはわからないけど。
で、殺女は朝食を終えるとすぐに、俺が作った弁当を持って学校に向かった。
さて・・・では、始めますか。
「・・・で?お前は私をどうするんだ?」
「どうする、というと?」
「暗殺者を捕らえて、その武器を取り上げておいて何もしないはずはないだろう?」
「いや、何もしないけど?」
俺の言葉に息を呑む気配が、後ろから伝わってきた。
とりあえず、気にせずに食器を洗い続ける。
「あー・・・でも、何もしない、ってのは少し違うか」
「ほら見ろ。で?何を、」
「とりあえず、遊びに行くからその目立つ格好をやめろ。俺を殺した後のための着替えくらいはあるだろ?そこのベランダに」
俺が見もせずにベランダを指差すと、雪姫は無言で立ってベランダから袋を取ってくる。
俺を殺すのに成功したら、後は人ごみに紛れて移動する方が楽だしな。返り血がついて、服を変える必要も出てくるだろうし。
「んじゃ、そっちの部屋でも使って着替えてこい。それが終わったら、テキトーにどっか遊びに行くぞ」
「遊びに、って・・・」
「暗殺だのどうだの、そんなすさんだ状態で話してもまともな会話なんて出来るはずがない。というわけで、今日は日が暮れるまで遊び倒すぞ」
食器洗いを終え、振り向きながらそう言うと・・・もう、本日何度目か分からない雪姫の目を見開く姿がみえた。
それでは、始めるとしますか。本来、俺の得意分野じゃなくて殺女の得意分野なんだけど。
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