第七話
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「でも、俺でいいのか?」
『向こうとしては、学生でも実力さえあればいいそうですよ。それに、給料についても楽ができそうですしね〜』
「楽?」
『はい。向こうが現在出している条件としてはですね・・・入学許可を出し、学費、教科書代、その他もろもろについて免除する、でどうかと』
「あ〜・・・そういうことか」
一人分の学費で雇えるのなら、安いもんだろう。それも、公式にはランク持ちの第十五位。席組みを除いた日本での五位、ということになっている人間を雇えるなら。
でも、正確には日本三位なんだし・・・
「割に合わなくないか?」
『そう言うと思って、もう少し交渉してきました。テストの点さえ取っていれば、ほかの事は一切免除して進級、卒業できます』
「もはや、日本の教育方針に喧嘩を売ってるな」
『ああ、その辺りについてはこちらで黙らせます』
職権乱用だ・・・俺が言えたことでもないけど。
「じゃ、そんな感じで。今すぐ式神か何かに資料を送らせてくれ」
『そろそろ届いてると思いますよ』
「ああ、確かに届いた」
言われたときには、窓際に止まっている一羽のはとがいた。
窓を開けてそいつの足についていた資料を取り、軽く呪力を補充してから書かないといけない資料だけ書いてくくりつけ、送り出す。
「今、たった今進路が決まった」
「また急だな・・・どうなったんだ?」
「こんな感じに」
俺はそう言いながら手元に残った資料を渡す。
それに目を通した担任は・・・一瞬で顔色を変えた。
「おい・・・これはマジか?」
「マジみたい。ま、今の電話を聞いてれば分かるだろ」
「まあ、分かったが・・・こんなの初めてだぞ・・・」
「今までにあったら、むしろ驚きだよ」
こんなこと、俺以外にありえないはずだからな。
「まあ、これなら俺から口を出せることはないな。よし、もう行っていいぞ。この資料はどうすれば?」
「それは、そっちで貰ってもいいみたいだ。俺のはここにあるし」
そんな感じで、進路相談は終わった。
史上初じゃねえかな・・・進路相談中に、進路が確定したのなんて。
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