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道を外した陰陽師
第七話
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決まってないし・・・ん?」
「どうかしたか?」
「仕事用の携帯に電話。それも、この振動のしかたは・・・陰陽師課から直接だ」
「そうか・・・出ていいぞ?」
「はーい」

 ディスプレイを見ると、光也からの電話だった。

「なんか用か、光也」
『挨拶くらいは普通にしませんか?』
「やなこった。早く内容に入れ」

 担任が心配そうな目で見てくるが・・・まあ、向こうからすれば一介の陰陽師が、そのトップに対してこんな口調を、それも、後見人までしてくれている人に、使ってるんだから、当然といえば当然か。

『では、入らせていただきますね。その辺りに誰か他の人間はいますか?』
「担任がいるよ。進路相談中だ」
『では、一部一部伏せて話を進めます。こちらの方に学校在留陰陽師を一人、腕のいい人間を、という依頼が入りまして。来年度からです』
「で?」
『その高校名は、“私立零厘学院”です』
「ああ、あの名前の由来が一切分からない、謎過ぎるところか・・・」

 そこは、色々な意味で有名な学園だ。
 特徴を並べていくと、まず一つ目が中等部と高等部が存在することだ。だが、これくらいなら他にもたくさんある。二つ目以降の方が、かなり目立つ。
 二つ目は、一学年辺りのクラスが、なんと二十クラス(・・・・・)ある。二十クラスだぞ、ありえるか?
 三つ目に、特殊な学科があるのだ。陰陽師がその能力や知識を深めるための学科、“陰陽課”。妖怪が妖術を高めるための学科、“妖怪課”。ただの人間が妖怪と深く関わりをもつ職につくための“境界課”。普通の文系、理系コースもあるし、妖怪が人間に紛れて暮らすためのコースもあるが、先に上げた三つのコースはかなり珍しいので、こちらに属する人が多い。
 最後に四つ目は、その学科ごとにクラスが分かれていないのだ。意図的にバラけさせ、どの仮定でも必要な過程や行事はそのメンバーで行う。コースごとの授業のみ別れて行うのだ。これは非効率的だが、気楽にそういった人たちと関われるために、意外と好評である。

 ついでに言うと、うちから通うにはそこそこに楽な位置にある。

「で?それがなんだって?」
『あ、いえ。あなたについてもらおうかと思いまして、在留陰陽師』

 在留陰陽師とは、その学校に生徒がいる間は常にいるか、式神を置くことによって学校の生徒、職員を妖怪から守る仕事である。
 普通、プロの、奥義を習得した陰陽師がなる。

「何割冗談だ?」
『ゼロ割ですね』
「・・・向こうには、俺についてどこまで知らせるつもりだ?」
『場合によって変わりますね。トップシークレットについては、絶対に話さない予定です』

 となると・・・鬼道関係については絶対に話さない。席組みについては事情が事情なら話す、といったところか
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