第六話
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今になって、コイツの悪癖を思い出した。
面白い状況を、任務などのついでに作る。今回みたいな任務なら、断ることも出来ないしな。
『まさか。偶然ですよ、偶然』
「世間では俺が問題児みたいに言われてるみたいだが、光也も大概だよな・・・」
『保護者代わりの人間にそれは酷くないですかね?』
ウッセ。保護者らしいことしてから言いやがれ。
俺はそう言いながら電話を切って、殺女の方をむく。
「あのバカの悪癖だ。どうする?」
「やっぱり、コウコウか・・・うぅ、どうしよう・・・」
殺女は頭を抱えているが・・・正直、かなり面倒な問題だ。
殺女、って下の名前はまだいい。字面が珍しいが(というか、普通片方の字は使わない)、名前が被るくらいなら気にするやつはいない。
何より、字を書くということは中々ないから、そこは気にしなくていいだろう。
だが、苗字まで一緒にとなると、事態は変わってくる。
土御門殺女、という名前はコイツくらいのものだし、その名前を知らない日本人などいない。一瞬で席組みの人間だとバレる。
だからこいつの名前で部屋を借りるのはまず無理。私生活なんてものは欠片もなくなるだろう。
せっかく学校中の人間に呪術的な手段でこの情報が広がらないよう細工したのに、何の意味もなくなる。
次に、俺の名前で借りるのも無理。
俺名義なのに女子が住んでるとなると、かなり面倒な問題になる。遠慮願いたい。
今暮らしてるところはもともとの知り合いが大家さんだったから都合を話して借りれてこそいるが、そもそも借りること自体が面倒な立場なんだ、俺は。
光也の名前も、そこそこに有名だし。そんな保護者の名前を簡単に書けるか。
「とりあえず、家来るか?どこかで休みながら話したほうがいいだろうし」
「うん・・・お邪魔します」
と、そんなこんなでいったん俺の家に向かうことになった。
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「あ、一輝君。ちょっといいかしら?」
「ん?なんですか?」
で、殺女をつれて家に向かったところ、先ほどの思考の中にも出てきた大家さんに会った。
一応恩がある立場なので、使うのは敬語だ。
「お仕事用の部屋・・・他のところに移せないかしら?」
「別にいいですよ。暮らしもしないのに部屋を借りてるんですから、住む人がいるならお返しします」
「そう?ならよかったわ。ちょっとお年を召した人だから、一階のお部屋の方がよかったのよ」
なるほど・・・俺は仕事用の部屋を一階に借りているから、そう言うこともあるのか。
ちなみに、普段の部屋は最上階。出来るかぎりはなれた部屋を求めた結果、こうなった。
「じゃあ、早速で悪いんだけど、お部屋を片付けて
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