第四話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
色々あった夏休みも終わり、二学期が始まってからもう二週間がたった。
俺は鬼道だったころに通っていた学校にはもう通えないので、二学期から別の中学に入学した。そこそこに賑やかで、楽しいクラスだったことは幸運だったといえるだろう。
「お。おはよう、一輝」
「おはよう、翔。何やってるんだ?」
「ああ、これか?」
朝、教室に入ったらクラスの男子が何人か集まって一人の机を囲んでいたのでそうたずねた。
「ちょうど良かった。なあ一輝。オマエは誰が一番だと思う?」
「誰って・・・何がだ?アイドルとかは興味ないぞ」
「そっちじゃねえって。席組みの女性の中で、誰が一番好みか、って聞いてんだよ」
話しながら近づいた机には一枚の紙が置いてあり、そこには席組みの女性五人の名前と、正の字でのカウントがしてあった。
見事に全員同数だな・・・
「匁さんだよな?あのクールな感じがいいよな!?」
「いやいや、美羽さんだろ。あのおどおどした感じが・・・」
「ここは鈴女さん一択だって!お姉ちゃんになってほしい!」
「いやいや、殺女さんのあの明るさだろ!」
「前様に踏まれたい!」
「最後のヤツ、発言がアウトだぞ・・・」
はぁ・・・女子は女子で男の方で人気投票やってるし・・・白夜が一番人気か・・・
「で、どうなんだ?一輝は誰に入れるんだ?」
「あー・・・誰にも入れない、ってのはダメなのか?」
「どうして、また?」
「いや、な・・・」
同じ席組みになって直接話したりする関係で投票しにくい、とはいえない。
一応、俺が席組みだってことは国家機密レベルで管理してるみたいだし・・・かなりゆるめだけど。
「まあ、何かと事情があるんだよ。中立票としといてくれ」
「はぁ・・・仕方ない。大竹先生巻き込むか」
大竹先生とは、このクラスの担任の男性教師だ。
生徒からの人気は結構あったりする。ついでに言うと少しMの気質があるから、投票は前にすることになるだろうな。
「でも、なんでこんなことしてるんだ?」
「なんでって・・・忘れたのか?」
忘れた・・・今日、席組み関係で何かあったか・・・?
「さっぱり思い出せん。何かあったか?」
「オマエ、それでも本当に陰陽師の卵なのかよ・・・」
「失礼だな。これでも陰陽師の卵だよ」
「はぁ・・・今日は、新しい席組みの発表がある日だろ!」
「・・・・・・あ!」
すっかり忘れてた。
そうだ・・・今日、テレビで特番が組まれて、新しい席組みが誰になったのか、日本中に知らせる、って言ってたな。すっかり忘れてた。
「ったく・・・俺たち陰陽師を目指す人たちの憧れ。そして、全国民のヒーローである日本のトップ十人の新しい一人が発表されるって
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ