第三話
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。なのに、肝心のカズ君はあんな調子だし・・・」
「悪かったよ、本当に。ってか、何でカズ君?」
「私、親しくなった人のことはあだ名で呼ぶことにしてるの。それとも、いやだった?」
「いや、全然」
少し驚いたけど、その程度だ。親しくなったと思ってもらえるなら、今の俺は嬉しいし。
「じゃあ、これからもよろしくな、殺女」
「お、名前呼び捨てだ!ってことは、私が“寺西一輝”の友達一号ってことでいいのかな?」
「そっちがいやじゃなければな」
「大歓迎!!」
許可もいただけたことだし、これからは呼び捨てでいくか。
「ふぅ・・・じゃあ、私はもういくね?報告とか行かないといけないし」
「あれ?それって俺はいかなくていいんだっけ?」
「うん。それに、カズ君は今すぐにでも行きたい場所があるんじゃない?」
殺女はそう言いながら街が見下ろせる場所まで歩き、鳥の妖怪を元にしたであろう式神を展開した。ここから直接飛んでいくようだ。
「私のほうからその辺りのことも伝えておくから、言ってきていいよ〜」
「じゃ、お言葉に甘えさせてもらう」
「そうしなさいそうしなさい。じゃ、私は行くね!」
「おう・・・って、ちょい待ち!」
まだ一つ、いい忘れちゃいけないことを言っていなかった。
殺女の方も飛び立とうとしていた式神に待つよう命じ、こっちを見て首をかしげている。
「今回のこと、サンキューな。おかげで目が覚めた。このお礼は、またいつかするから」
そう、まだお礼を伝えていなかった。
だから、もういつから使っていないのか分からない、素の笑顔を向けながらそう伝えたのだが・・・
「・・・・・・」
「えっと・・・殺女?どした?」
殺女はしばらく固まっていたかと思うと、急にボンッと音が鳴るくらいの勢いで顔が真っ赤になった。
どうしたんだ、急に・・・?
「ちょ、それは・・・今までの表情が表情なだけに、ギャップが・・・」
「えっと・・・きこえないんだけど、何か言ったか?」
「え!?あ、ううん!!何にも言ってないよ!!!」
「そうか?ならいいんだけど、顔真っ赤だし・・・」
「あはは!ちょっと暑いのかなー!?」
「そうでもないと思うけど・・・本当に大丈夫か?」
「大樹オブ大丈夫!あ、もう私行くね!!またねー!!」
「あ・・・本当に大丈夫か?」
なんか噛んでたし、式神の飛び方も不安定だし・・・まあ、本人が言ってるなら大丈夫か。それに、金剛力もあるんだから、落ちたくらいで怪我をするとは思えないし。
「さて、とりあえず・・・いくつか連絡とってみるか」
俺は番号まで全て変更したプライベート用の携帯を開き、(今更だが、仕事用プライベート用両方とも番号まで変更している。仕事用はスマ
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