第三話
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、それ・・・」
「こんな啖呵切るんだから、そのために少しくらい調べるわ。それで、どうなの?」
「・・・・・・生きてるのかどうか、それすら分からないんだ。いや、あいつらが俺のところに来る前にって可能性も・・・」
「そう。だったら、一個だけ教えてあげる」
「アンタの妹の湖札ちゃん、生きてる」
俺は、その発言が衝撃的過ぎて何もいえなかった。
「これは間違いない。ウチの婆様に頼んで調べてもらったから」
「・・・託宣」
「そう」
土御門の婆様といえば、託宣で有名だ。
視ることさえできれば、その的中率は百パーセント。
「じゃあ、改めて聞く。アンタは、この世で唯一の家族と再会したとき、そんな自分を見せるつもりなの?」
「・・・」
「その時、湖札ちゃんはどう思うでしょうね?自分が海外にいる間に一族はお兄ちゃん以外皆死んじゃってて、そのお兄ちゃんもこんな様子」
「・・・・・・」
「後、コウコウを問い詰めて聞き出したことだけど、湖札ちゃんはアンタ以外皆殺されちゃったことを知ってる。そんな状況だと知らされて、これからどうするかと聞かれても、帰るとは言わなかった。それはなんでか分かる?」
「・・・・・・・・・」
「まだアンタがいるから、そう言ったそうよ」
気がつけば俺は、涙を流していた。
湖札がまだ生きていると知って、涙を流していた。
「『まだ兄が生きてるなら、大丈夫です。全部終わったときに帰る場所もありますし、そんな状況に兄がいるのに、自分だけ今から逃げることは出来ません』って。なのにアンタはこんな状況で、それでどうするのよ?」
「・・・・・・・・・・・・ハハハッ。アイツは、そんな事を言ったのか・・・」
ブラコン、まだ治ってないのかもな・・・
「だったら・・・お兄ちゃんが頑張らないわけには、いかねえじゃねえか・・・」
「そう」
土御門がどいてくれたので、俺も立ち上がって涙を拭く。
「・・・で?これからどうするの?」
「そうだな・・・まずは、学校始まるまでの間に、人との?がりでも作るか。光也のヤツには何か言われそうだけど、何人か前の学校の奴等と会うのもいいな」
「それがいいんじゃない?実質、コウコウよりも席組みの私達のほうが立場は上なんだし」
それでも、周りに言わないよう口止めくらいはしないといけないよな・・・
それに、“寺西”として付き合っていかないといけないわけだし、あんまりたくさんの人とは会えないけど・・・ま、それくらいは仕方ないか。
「・・・あ、でも。その前に席組みの皆にあやまらねえと」
「それもあったね〜。ま、大丈夫だよ。アレで皆、歓迎する気はあったんだし」
「それはお前もか?」
「うん。カズ君を歓迎するつもり満々だったんだよ〜
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