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魔法少女リリカルなのは〜転生してうちは一族になりました〜
第六話「悲しみを越えろ」
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初こそすずかが吸血鬼だと聞いた時は驚いたが、それだけなのだ。
恐怖など女神の迷惑行為と比べれば無いも同然だ。

「でも……」
「フーーー……」

腕を組みながら未だ卑屈になっているすずかをどうやって立ち直らせるか考える。
そして一つの方法を思いつき、直ぐ行動に出る。

「へ?あの、ア、アオグ君!?」
「な、な、なにいきなり脱ぎだしてんのよ!!」

背中を向け突然服を脱ぎだした俺を見て慌てるすずかとアリサ。
思わぬところですずかの気を晴らすことが出来たが、本命はこれではない。
服を脱ぎ捨て、首をポキッと鳴らし、ゆっくりとすずかとアリサの方へ体事振り返った。

「……っ!?」
「な、何それ……?」

2人は絶句している。
その視線は俺の左胸を捉えており、絶句した原因はまさにこれが原因だ。

「驚いたか?無理もない……胸に顔がある男を見ればな」

そう。俺の左胸には顔が浮かび出ているのだ。
この顔の正体は、NARUTO原作での登場人物である初代火影、千手柱間のものだ。
原作では柱間に敗れたうちはマダラが、咬みちぎった柱間の肉片を胸の傷口に移植した。
だが移植した当初は何も変化は起こらず、そのまま寿命を迎えようとした時、変化が起こった。
今の俺の胸と同じことが。

「4年前、ある戦いで瀕死の重傷を負った俺に、母カグヤはある男の細胞を胸の傷口に移植した。その細胞は膨大な生命力を持っていてな、俺は見事回復し復活した……だが見てのとおり、細胞の力が強すぎて持ち主の顔が体にできてしまったのは失敗だったがな」
「………」
「………」

突拍子のない話しに2人は何も話せないようで、沈黙が続く。

「言ってみりゃ、俺は純粋な人間ではない。胸の顔以外にも、このとおり一族特有の目も持っているしな」

そう言って俺は写輪眼を2人に見せる。
一瞬驚いたようだが直ぐに戻る。
もうこの程度ではそこまで驚かないようだ。

「だがそれがなんだ」

すずかの頭に手を載せる。

「俺はうちはアオグというひとりの人間でありそれ以外何者でもない。それと同じで、お前は月村すずかでありそれ以外何者でもない。そして、それは一番俺がよく知っている。お前は強く、そして優しい奴だ」
「!!」

すずかは強い。2年前、アリサとなのはが喧嘩を始める中、勇気を振り絞り2人を止めようとし、そして今回も自分よりもアリサ優先し逃がそうとした。
例え姿がどんなに醜い化け物でも心があれば人間になれる。

「月村すずか、俺が認めてやる。お前は1人の人間だ!月村すずかっていうたった1人の人間だ!」
「う……う、うああああ……!」

付き物が取れたかのようにすずかは俺の胸に飛び込んで嗚咽する。
別に胸を貸すのは構わないが、お前
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