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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第404話】
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ヒルト、お前は男だからこの場から離れるのは許さねぇ。 あぎゃ、俺様は基本良い女には優しいからな。 戦意の無い女に危害は加えねぇ。 無論、エネルギー回復して向かって来たら別だがな、あぎゃぎゃ」


 男からの突然の発言に、目を白黒させた俺だが、同時に皆を避難させるチャンスだとも思った。


「……美冬、未来、美春。 皆をアリーナの中へ。 シャル、ラウラの二人も一旦その場から退け」

「……お兄ちゃんは?」

「女だけってアイツが言ってただろ? 俺は残る」

「……! そんなっ、ヒルトを残して僕達だけ退けないよ!」


 俺の言葉にいち早く反応したのはシャルだ――機体の各種スラスターの機能はまだ回復してないらしく、動く様子すら見せなかった。


「俺なら大丈夫だ。 ラウラ、皆を連れて中に入ってくれないか? それと……もし教師陣が機体に乗ってたら、ここに増援として派遣してほしい。 自衛隊の要請も織斑先生に頼んだが、一向に打鉄の姿が見えないからな……」


 正直、既に織斑先生に連絡してからかなりの時間が立つのだが上空には全く何も姿を現さない。

 それならアリーナ内にいる教師陣達に援護を望む方が一番ましだろう……。


「……わかった。 皆、中に入って退避するぞ。 この場にこれ以上居れば、下手すると流れ弾に当たって負傷の可能性もあるからな……」


「そんなっ、ラウラ! ヒルトを残していいのっ!?」


 シャルの言葉に、ラウラは振り向くと言葉を口にする。


「……良いわけない。 だが、ヒルトまで避難を許された訳じゃない……それに、セシリアと鈴は出来るだけ早く医療施設へと送らねばならない。 ……シャルロット、この場にいる皆、ヒルトを置いていきたい訳じゃない。 それだけはわかってくれ」

「……っ。 ……ぅん」


 ラウラの悔しそうな表情に、小さく頷くシャル。


「大丈夫だ、俺は不死身だからな。 危険には変わり無いが、まあ大丈夫さ」


 ニッと笑顔でそう伝えると、あまり納得した様には見えないが、シャルは頷く。

 ――と、ここで美春が村雲・弐式から降り、機体をその場に残すと。


「……ヒルト、エネルギー少ないけど……。 村雲を使って?」

「良いのか? 確かに元は俺の専用機だが――」

「だからだよ。 今ヒルトの打鉄はエネルギーが切れてる。 仮に助けに入るなら村雲の方が確実だもん。 助けに入らなくても、織斑一夏や篠ノ之箒を背負って離脱するだけのエネルギーはあるから。 まあ二人にはキツいGが待ってるけどね」

「……わかった。 なら暫くは俺が運用するよ。 じゃあ皆、セシリアと鈴音を頼んだぞ」


 そう俺が言うと、皆力強く頷く。

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