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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
23.囚人の狙い
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ねーか……」
紗矢華と別れ、アルディギアの騎士団たちとともに
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
のヘリに乗り、国へ帰国するため中央空港に来ていた。
離陸準備を終えたチャーター機が待機している先にラ・フォリアとアルディギアの騎士団は向かっていく。
「王女様。お久しぶりです」
搭乗口に通じるゲートの前に女性が一人深々とお辞儀していた。
ここは専用通路なので部外者が入り込めるところではないはずだ。
その女性が顔を上げる。茶色の腰まで伸びる長い髪に、綺麗な瞳。どこか安心してしまうような穏やかな顔立ちの女性。
「あなたは……?」
どこか見覚えのある女性。
どことなく緒河彩斗が時々見せる優しい雰囲気に似ている女性だ。
「私は緒河彩斗の母親です」
その言葉にラ・フォリアは目を丸くした。
緒河彩斗の母親と名乗る女性の言葉にラ・フォリアは思い出した。
「あなたでしたか。少し雰囲気が変わっていたので気づきませんでした」
「私は何も変わってないですよ、王女様。歳をとっておばさんに近づいただけです」
彩斗の母親は穏やかな笑顔を浮かべた。
「それでどうしてこんなところにいるんですか?」
ラ・フォリアは一番疑問に思っていたことを訊いた。
彩斗の母親は顔色を変えずに笑顔のまま答える。
「ただ、私は王女様の見送りをしようと思っただけですよ」
彼女は当たり前のように口にした。
そのとき突如として思い出した。この女性は、昔アルディギアで起きた暴動を止めてくれた一人だと母親から聞いた。
そのとき、自分のことを“電脳の姫”と名乗っていたと聞いている。
アルディギアのセキュリティーをハッキングし、電子機器を操作出来るほどの実力者ならここに潜り込むことは容易いことであろう。
「それで王女様……」
彩斗の母親はラ・フォリアに耳打ちする。
「彩斗くんとはどこまでいったの?」
その言葉を聞いて頬が熱くなるのを感じた。
「赤くなっちゃってやっぱり歳頃の女の子なんだね、王女様も」
それでも穏やかな笑みを浮かべる彩斗の母親だ。
「いえ……そ、その……」
言葉に詰まったラ・フォリアに彼女は再び、耳打ちをする。
「……彩斗くんは手強いわよ。彼、慎治くん以上に鈍感だから、キス程度じゃ、わからないと思うよ」
心の中を読まれている気がしてドキッとする。
「わかっています。でも、彩斗のことは諦めませんよ」
ラ・フォリアも笑顔で返した。
「それでは……」
そう言い残して、ラ・フォリアは搭乗ゲートをくぐった。
「仙都木阿夜……“
書記
(
ノタリア
)
の魔女”か。あの忌まわしい監
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