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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
23.囚人の狙い
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た。
「なるほど、
七式降魔突撃機槍
(
シュネーヴァルツァー
)
で傷を負っているのだったな、第四真祖」
そのときだった。突如として闇夜を照らす一つの光源が出現したのだ。
それは彩斗の身体だった。まるで太陽のように輝く彩斗の身体はその場の全て者の目を眩ませる。
友妃は困惑する。吸血鬼にそんな能力はない。さらに友妃の知っている限り彩斗が従えている“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の眷獣の中に光を放つ眷獣などいないはずだ。
それに“負”の力である吸血鬼は日光を嫌う。それなのに彩斗の身体は、太陽のように輝いている。
「仙都木阿夜……優麻の“守護者”を返してもらうぞ」
光が消えた彩斗の身体からは先ほどよりも多くの魔力を感じた。身体の外傷も“守護者”に刺された胸以外の傷が見た限りなくなっていた。
それは再生能力。吸血鬼の再生能力ではない。それを遥かに超える超再生能力を彩斗は使ったのだ。
「魔力を回復したか……吸血鬼にそんな能力などあったのか?」
仙都木阿夜も先ほど起きた現象の理解ができていないようだ。
「さぁな……俺自身もそんなにわかってねぇからよ。多分、あいつが一時的に力を貸してくれたんだろうよ」
彩斗はいつもの無気力な表情で答えた。
彼は右腕に鮮血を迸らせる。
“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の眷獣の召喚を見ても阿夜は、慌てることなく自らが立っている場所を指して挑発的に笑う。
「いいのか、
神意の暁
(
オリスブラッド
)
? たしかに汝と第四真祖の力なら我を吹き飛ばすことも容易いだろうが、監獄結界も無傷ではすまんぞ? この結界を維持している術者にも、相応の反動が及ぶであろうな」
「……那月ちゃんのことを言ってるのか」
彩斗は要塞を見上げながら呟く。
いまだ那月は行方不明。そんな状態で監獄結界を攻撃すれば那月へのダメージはかなりのものになる。
だが、逆を返せば、この結界があるということは那月がまだ生きていることを証明している。
「──もっとも、そうなることを望んでいる連中もいるようだがな」
仙都木阿夜は愉しげに自分の背後を振り返った。
そのときになって友妃は気づいた。
監獄結界の建物の上にいるのが仙都木阿夜一人ではないこと。
「なんだ、こいつらは!?」
後ろで膝を付く古城が声を洩らす。
黒い要塞の上に立つ七つの人影。老人。女。甲冑の男。シルクハットの紳士。そして小柄な若者と、繊細そうな青年、ローブを着た性別不明の者だ。
「まさか……彼らは……」
鬼気に満ちた大気に抗うように、槍を構え直して雪菜が呟く。
その言葉の続きは、聞かずとも理解できる。
ここにいるのは監獄結界の囚人たちだ。
「最悪……じゃ
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