森の少女
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ートルくらいで落ちたぞこいつ」
「え、ええ!?流石に死ぬでしょうソレ」
「うん。だから俺も登ってコイツの服の首根っこ掴んだ」
「いや〜、ライトのアシストなきゃ死んでたな」
「嫌々、普通は結晶転移を使うからな?」
「流石、キリト」
「ミザールさん?それ誉めてるのですか?」
他愛ない会話を交わしながら歩く内、森はどんどん深くなっていった。心なしか鳥の声もまばらになり梢を抜けて届く陽光も控えめになってきた。
アスナは改めて周囲を見回しながら、キリトに訊ねる。
「ね、その……ウワサの場所って、どの辺なの?」
「ええと……」
キリトがマップで現在位置を確認する。
「あ、そろそろだよ。もうあと何分かで着く」
「そう言えば、具体的にどんな噂なんだ?」
「ええと、一週間位前、木工職人プレイヤーがこの辺に丸太を拾いに来たそうだ。この森で採取できる木材は結構質が良いらしくて、夢中で集めている内に暗くなっちゃって……。慌てて帰ろうと歩き始めた所で、ちょっと離れた木の陰にーーーーーーーちらりと、白い物が」
改めて聞くと汗が止まらなくなったが、話は容赦なく続く。
「モンスターかと思って慌てたけど、どうやらそうじゃない。人間、小さな女の子に見えたって言うんだな。長い、黒い髪に白い服。ゆっくり、柱の向こうを歩いていく。モンスターでなきゃプレイヤーだ、そう思って視線を合わせたらーーーーーーーカーソルが、出ない」
「「ひっ……」」
「キリト、ストップだ。流石に俺無理」
キリトは更に言葉を続けようとするのを防ぐため、アスナとミザールを肩から下ろし、殴ろうとしたーーーーーーーその時。
俺達からかなり離れた針葉樹の幹の傍らに、白い物がちらりと見えた。
とてつもなく嫌な予感をひしひしと感じながら、俺はそれに視線を凝らした。すると視線を集中している部分の解析度が上がる。白い何かはワンピース。その裾から覗いているのは……脚だ。
「き……キリト君、ライト君、あそこ」
「う、嘘だろおい……」
「ガクガクブルブル」
三人の様子を見て俺は半ば呆れていると、どさり、と言う音が耳に届いた。
「あれは……幽霊なんかじゃないぞ!!」
その途端、キリトは叫び走り出す。
「ちょ、ちょっとキリト君!?」
「全く……」
キリトに続き、俺も少女に駆け寄る。針葉樹の下に到達すると、既にキリトは少女を抱き抱えていた。まだ意識は戻って無いらしい。念のため、少女の体を見たが、幽霊らしき現象は見受けられない。
すると、遅れながらアスナとミザールもやって来る。
「だ、大丈夫なの?」
「うーん……」
キリトは少女の顔を覗き込みながら言う。
「とりあえず、消滅しないって事は生きてるって事なんだろうが……妙だな……」
「ライトもそう思うか?」
「「妙って?」」
アスナとミ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ