召喚者-ティファニア-part1/半妖精の召喚の儀
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る。
「姫様が……いらっしゃる?」
ルイズはさっきまでの湧き上がった熱が一気に冷め、驚いていた。
「したがって粗相があってはいけません!今から全力を挙げて歓迎式典の準備をおこないますぞ。よろしいですかな!?」
「「「「ハイ!!!」」」」
二日後に来訪する姫の出迎えに備え、魔法学院の生徒たちは準備に取り掛かったのだった。
ここまで大分長々になったが、今回話すお話はサイトたちがメインではない。トリステインから北西のとある場所に目を移すとしよう。
アルビオン大陸。サウスゴータ領の最大都市、シティ・オブ・サウスゴータと港町ロサイスを結ぶ街道から50リーグ(約50キロ)離れた森の中。
そこには地図にも記されていない小さな村があった。
その村の名前は…『ウエストウッド村』。
存在さえアルビオンの国内でも忘れ去られている…というよりほとんどの人々から初めから存在を認知されてもいない村。
その村は、村というよりも孤児院だった。戦争・人売り・盗賊からの襲撃で家族から引き離された子供たちが集う施設でもあった。丸太と漆喰で作られた男子寮・女子寮ともう一つ、村長の家として他の二つよりも多少大きめの家が、最後に切り株を使って拵えたテーブルと椅子が用意されている。
まだ小さな子供たちが無邪気にきゃっきゃっと騒ぎながら走り回っている。一番大きな家の煙突から白い煙が上っていた。今は朝、朝食のためにを火を起こしているらしい。キッチンでは、17歳ほどの美しく長い金髪少女をなびかせる少女が鍋を煮込んでいた。まるで某美麗なCGムービーで有名なRPGの登場人物を実体化させたような輪郭と細い体に白い肌に、あどけなさを残した美貌。まるで妖精そのものだった。ただ、一部分だけ彼女には男女問わずギョッとする外見があった。
…胸だけが、異常に大きいのだ。体はとても華奢なのに、そこだけは異様な大きさを誇っていた。それも、バスト94センチのキュルケさえも凌駕していた。それは今、彼女の料理を待っている女性…フーケさえも驚くもの。とはいえ、この少女とフーケは以前から顔見知りだったので驚きは薄かった。
少女の名前は『ティファニア』と言った。
フーケは、このティファニアという少女を妹・娘のようにかわいがっている。そしてこの村の子供たちのことも大事に思っていた。だがこの村に、大人はいない。自分を除いた年長者であるティファニアにはこの村で子供たちをまとめ養う役割がある。そしてもう一つの理由が、彼女の耳にあった。耳の先がとがっているのである。これは彼女が人間ではなく、ハルケギニアの人間たちから畏れされている種族『エルフ』の血を引いている証拠だった。世間から恐れられている種族の血を引く少女を村の外に迂闊に出すわけにはいかない。さらにもう一つ理由が
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