GGO編
八十三話 お菓子な依頼人
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」
GGO内部のSBCグロッケンと言う町のある酒場で、それは起こった。
JSTで十一月九日午後十一時三十二分二秒。Mストに出演していた画面上の茂村に対して、一人のプレイヤーが、裁き云々、死ね等と叫んだ後、一発の銃弾を発砲。その十三秒後。突如茂村氏操るゼクシードが、Mストから行き成り消滅したらしい。接続ログから、死亡したのがその時間であると言う事も確定している。
そしてもう一件。GGO内の、矢張りSBCグロッケンの中央広場で、あるスコードロン(GGOにおける、ギルドのような団体の事)の集会において、壇上で檄を飛ばしている所を行き成り乱入したプレイヤーに同じような言葉とともに銃撃され、詰め寄ろうとしたところで、落ちたらしい。
「その兄ちゃん……《薄塩たらこ》のプレイヤーも死んでりゃ、確定だが……」
「ご名答だよリョウ君。十日前の十一月二十八日に、埼玉県大宮市アパートにやってきた新聞勧誘員が、電気付いてるのにノックしても返事が無いんで、居留守を使われたと思って腹を立ててドアノブを回したら。って感じだね」
先ず居留守を使われたからと言ってドアノブを回す勧誘員もどうかと思うが、まぁ死体を見つけてしまった不運を思うと彼には同情しておくべきか。
「ネットの掲示板の物だから信憑性に欠けるんだけど……リョウ君のはなんか確信有りそうだよね?」
「まぁ、な信用できる筋っちゃそうだ。俺らにとってはな」
「俺ら?」
涼人の言葉に、和人が首をかしげる。
「後で説明してやるよ。それよか……なぁ、二つとも、部屋の電気は付いてたのか?」
「ん?うん」
「…………」
それを聞くとそのまま、涼人は黙り込む。
「何か気になるのかい?リョウ君」
「いや……何でもねぇ。続けていいぜ」
促すと、菊岡は続けた。
「さて、その二件の銃撃者だけど、同じキャラネームを名乗ってる。偽名っぽいけどね」
「名前?」
「《シジュウ》……それに《デス・ガン》」
「うっわ、ガキっぽ」
涼人が言うと、菊岡が苦笑する。
「ははは。まぁ、ねぇ」
死《death》銃《gun》と言うわけだ。
単純だが、まぁその死銃氏とやらにしてみれば、シンプル・イズ・ベストといったところなのだろうか?
噂と偶然で出来上がっているネタに向かうにしては、菊岡はやけに真面目に調査していた。
心不全と言うのは確実であるらしく、被害者(?)の脳には血栓などの異常は見られなかったらしい。また少なくとも、アミュスフィアが通常の過程で発生させることのできる電磁波で人間を殺すことは間違いなく出来ない筈だと、メーカーにも問い合わせ済み。
と言うわけで、通常の感覚刺激で人間を殺すことが出来るかと言うのを三人で議論してみたのだが……
「無理……か」
「五感だけじゃなぁ…
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