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SAO─戦士達の物語
GGO編
八十三話 お菓子な依頼人
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り微々たるものである。これを持ってVR世界が治安を脅かしているとは言い難いだろう。
と、和人がVRは確かに犯罪への心理的ハードルを低くする。と言いかけた所で、注文したケーキ達がやってきた。
涼人のケーキ達は流石に一回ではやって来ず、順次続けて来るらしい。

さて、涼人がケーキに夢中になりながらもしっかり聞いていた話を纏めると、内容はこうだ。
ゲーム内ではPKは有効で、先鋭化したタイトルならばそれなりにグロもある。いわばVRでのPKは現実での殺人の予行演習的な物になりうるわけだ。ちなみに聞いた話では、アメリカ軍や自衛隊でもこの手のシステムによる戦闘訓練の導入が進んでいるらしい。まぁ、当然と言えば当然だが。

さて、涼人が濃厚なチョコの深い深い甘みと少し顔してそれらを引き立てる苦みに舌鼓を打っていると不意に、菊岡が問うてきた。

「ちなみに、リョウ君はどうだい?」
「どうだいって……なぁ」
話は、何故PK等をするのか、と言う話から、エンディングと言う終わりのないMMORPGにユーザを向かわせる原動力……すなわち他人からの羨望や、羨みのまなざしと言った物を求める優越感だと言う話題。そして、それは何もゲームに限った話では無く、現実でもありき、菊岡やキリトもまた、それを味わっている。と言う話に発展したいた。今の「どうだい?」は、涼人ははたして他の物に対する劣等感を埋めるだけの優越感を得られているのか、と言う振りだ。

「まぁあっちじゃ一応トッププレイヤー張ってるからともかく、現実じゃそうそうなぁ……RPGの経験値と違って、こっちの努力は確実に実を結ぶとも限んねぇんだ。リアルで優越感得るってにゃそれなりに時間も根気も居る。俺も実を結んだ努力ってなぁあんまし多くねぇよ。その点じゃ、RPGの一番いいとこは、スキル制はともかく努力が必ず実を結ぶ。ってとこかもな……」
「あっけらかんとしてるねぇ……まぁ僕も受験は死ぬほど勉強したけど、東大には落ちた。言いたいことは分かるけど……でも、リョウ君はそうでも無いんじゃないのかい?SAO云々で君を調べたときに、君の学校見たよ?かいせ……」
「おーっと、あんまり人の過去ほじくり返すもんじゃねぇな菊っち。さ、話を続けろよ」
「て言うか兄貴も参加したらどうかと思うんだけどな」
少し口をとがらせながら言う和人に、涼人は至極真面目な顔で答える。

「俺は今、こいつ等を味わう事で忙しいんだよ。官僚の相手なんざ後だ後」
フムン。と一度鼻を鳴らして、菊岡と和人は話を続ける。
まぁ早い話、優越感と言うのは終わりの無い物語を人に歩ませる程度には魅力的なものなのだ。
アスナがキリトの隣を歩いて居れば、十人中十人の非リア充男子が羨みと嫉妬、人体爆破を願う視線で振り向くのと同じことである。
そしてMMORPGにおける
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