GGO編
八十三話 お菓子な依頼人
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がケーキ二つにカフェ一つだったのに対し、リョウが頼んだのはミルクティー一つと……スイーツ十数種類だったからである。
恐らく、涼人一人で間違いなく三万は行っただろう。いや、四万超えたかもしれない。頼んだ時にあのポーカーフェイスのウェイターさんですら口の端が引きつっていた。
「こほん……さ、さて、ご足労いただいて澄まなかったね、キリト君、リョウコウ君」
「そう思うならわざわざ銀座なんかに呼び出すなよ……」
「ははっ、良いじゃねぇか。おかげで上手いケーキが食える」
「あぁ……それは確かに」
リョウの言葉にキリトが納得したように頷くのを、菊岡は困った様な表情で返す。
「いや、確かに此処の生クリームは絶品なんだけどさ……やれやれ、次からは言葉に気をつけようかな」
「そうした方が良いな。少なくとも兄貴の前では。で?本題は何だよ……まぁどうせまたVR犯罪がらみのリサーチなんだろうけど……」
「おお、キリト君は話が早くて助かるねぇ」
溜息をつきながらそう言ったキリトに、菊岡は調子を取り戻したように返す。
「いやぁ、ここ最近、バーチャルスペース関連の犯罪がまた増え気味でねぇ……」
「へえ?具体的には?」
ここで、涼人達とこの菊岡氏の関係を説明しておこう。
この菊岡誠二郎は、国家公務員、総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二別室というお経かよと突っ込みたくなるようなやたら長い漢字ばかりの名前の部署の所属である。ちなみに省内では通信ネットワーク仮想空間管理下、通称《仮想課》と呼ばれているらしい。
早い話が、国がインターネットと言う無法世界に新たに生まれた世界、VRワールドを監視するために派遣した、エージェント的な存在なわけだ。これが黒服の黒サングラスで同じ顔の人間が何人も出てくればまさしくエージェント……というかスミスだが(※映画マト●クスより)、残念ながら彼はどちらかと言えばスケープゴートと言ったところだろう。
そんな彼が一介の高校生である和人と涼人に何の用かと言うと……まぁ早い話がこの男は《SAO生還者(サバイバ―)》たる二人を情報提供者として利用しているのである。
まぁ《利用されている》と思うと涼人や和人としても余り良い気はしないのだが、菊岡にはまだ帰還したばかりのころ、アスナやサチ、そのほかSAOメンバーのリアル情報を教えてもらったと言う借りが有るため、仕方なく協力していた。
まぁ、持ちつ持たれつでは有るので、年上でも敬語は使わないし、ケーキも““容赦なく””頼むが。
さて、菊岡から話を聞いた限り、先月……十一月だけで、怒ったVR関連の事件は、仮想財産の盗難が百以上。加えて、現実世界における障害十三件、内一件は傷害致死となっている。
確かにそれなりでは有るが、とは言え日本全国の傷害事件数から見れば残念ながらかな
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