今更ですよ
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バイトを終えて家に帰る頃には、お月様が顔を出していた
車を駐車場に停めて、自分の部屋までの短い移動の間に空を見上げる
空は晴れ渡っていて、煌々と輝く満月が僕を見下ろしている
お月様はどんな気持ちで僕を、人間を、地球を見ているのだろうか
この限られた地面をめぐって争う人間たちは、さぞかし滑稽に見えていることだろう
月はひとつ
誰のものでもない
そんな事を考えていると、なんだか月と自分が似ていると思えてきた
誰からも干渉を受けずに、誰のためでもなく輝く月は
「 まるで僕のようだ・・・ 」
ってのはさすがに言いすぎか
自分で言ってて恥ずかしい
誰にも聞かれていないことを確認して、一安心した後
僕は部屋に向かった
そして、自分の部屋のドアノブに何か引っ掛けてあることに気づく
「 ? 」
ビニール袋に何かが入っているのが見えたとき、僕は立ち止まった
「 誰だ? 」
犯人の見当が全くつかない
同じ研究室の2人はもういないし、それ以外の友達などいるはずもない
だったら・・・・
最近流行のストーカーだろうか「 あなたをずっと見てますよ 」的な
もしくは、通り魔が爆弾でも仕掛けていったのだろうか
いやいや、あの出来事は発生前に回避したはずなので、今も逃走を続けている犯人は
僕の顔を知らないはずだ
あれは僕の記憶にしか存在しない出来事だ
最近は何故か命の危険にさらされることが多かったので、被害妄想が激しいのだろうか
「 中を見てみるしかないか・・・ 放置するわけにもいかないし 」
考えるのが面倒になった僕は、軽い気持ちでビニール袋を手に取った
そこに入っていたのは・・・
「 ポテトサラダ・・・か? 」
タッパーに入っていたので、食べることができそうだ
それと手紙が一通
『 この前のお礼です よかったら食べてください 大井 』
・・・・
・・・・・
・・・・???
・・・・ナニコレ?
全く理解できない状況になってるぞコレ
てかなんでポテトサラダ? まぁ確かに好きなんだけどさ
ってなると、なんで僕の好物を知ってるのかも疑問に思えてきた
「 誰かに言ったかなぁ? というか大井さんって誰だっけ 」
謎の差し入れを手に、その場でいろいろと思案していたので
僕が部屋に入った
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