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久遠の神話
第百六話 決戦の前にその六

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「そんな嘘言う人がいるのね」
「実際お米の方がいいのかな」
「玄米だとね」
 栄養があるというのだ。
「確かに白米は澱粉だけだけれど」
「玄米はだよね」
「そう、栄養凄いから」
「食べにくいけれどね」
「それなら白米に混ぜればいいし」
 どうしても玄米にこだわりたいのなら、というのだ。
「それに色々他の穀物を入れてもいいのよ」
「十六穀とかだね」
「麦とか稗とか粟とかね」
 そうしたものを入れた御飯を食べるのも、というのだ。
「いいのよ」
「栄養あるし美味しいしね」
「そう、だからね」
 それもありと言う樹里だった。
「まあ大学の教授っていってもね」
「例え東大の教授でもね」
「迂闊に信用しない方がいいわね」
「うん、嘘言ってる可能性もあるから」
 人は職業で嘘を言うのではない、その人間性で嘘を言うのだ。その大学教授にしても人間性が卑しい為に金を貰っているなりイデオロギーを盲信するなりして嘘を言うのだ。卑しいことと言えばそれまでであるが。
「学校の先生だってね」
「本当に酷い人いるから」
「そうだよね」
「とにかく御飯はね」
「食べていいよね」
「食べて悪い筈がないわ」
 その金を貰っていた東大教授が言っていた嘘とは違い、だ。
「どう考えてもね」
「そうだよね」
「まあ小麦もね」
 上城が今食べているスパゲティの原料にしてもだった。
「食べて悪いことはないわよ」
「こっちもだよね」
「そう、ただね」
「ただっていうと?」
「お米の方が収穫はいいのよね」
「そうみたいだね、全然違うみたいだね」
「そうなのよ、何か十倍は違うらしいわ」 
 このことは本当のことだ、米はそうした意味でも非常に優れた穀物なのだ。
「だから日本も人口が多くなったし」
「沢山食べられるとそれだけね」
「多くの人が養えるから」
 このことは自明の理だ、食べられるものがないとそこに人はいない。人は食べることで生きるものだからだ。
「お米はいいのよ」
「否定出来ないことだね」
「私朝大抵御飯よ」
「僕もだよ」
「一日のはじめはね」
「パンよりもね」
「御飯よね」
 笑顔で言う樹里だった。
「腹もちがよくて」
「そうそう」
「パンだとね」
 どうかとだ、また言う樹里だった。
「朝はね」
「今一つね」
「何か腹もちがよくないのよね」
「そんな気がするよね」
「同じだけ食べていても」
 それでも、というのだ。
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