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万華鏡
第七十七話 迫るバレンタインその十四
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「あたしも最近一緒だって思えてきたよ」
「そうでしょ、マンネリでしょ」
「そうだよな」
「だからな」
 それでだというのだ。
「あたしも読まなくなったよ」
「売れればいいかっていうとそうでもないと思うわ」
 里香は美優にも言った。
「同じ様な漫画ばかりだとよくないわ」
「友情、努力、勝利だけじゃあな」
「しかも努力もなくなってきたから」
 最近のジャンプは、というのだ。
「余計に悪くなったわ」
「そうだよな、本当に」
「あのテニスの漫画も好きじゃないから」
 里香はその漫画にも抵抗するものを述べた。
「才能だけで勝つとかね」
「王子様ってチートなのかね」
「あの漫画じゃそうみたいよ」
「それはないよな」
「何処が面白かったのかしら」
 そのテニス漫画についてだ、里香は疑問形で言った。
「本当に」
「さあ、何処がだろうな」
「それが今でもわからないわ」
「ジャンプだからじゃね?」
 美優が里香の疑問の答えをそこに求めた。
「ジャンプだから読んだとか。キャラクターが美形だとか」
「それだけなの」
「だからじゃね?あとインパクトがあったとか」
「インパクトは確かにあったわね」
「ほら、街にいるおっさんでもさ」
 美優はここで自分達の横をサラリーマン風の中年男性が通り過ぎたのを見て言った。擦れ違った形でだ。
「スーツのおっさんと全裸のおっさんじゃインパクトが違うだろ」
「全裸だとどうしてもね」
「目立つよな」
「ええ、そうよね」
「デモとかでもな」
 今度はデモから話す美優だった。
「普通に団体で怒るより放射能防護服着たり雉殺して食ったりした方がな」
「そこまでやったら変態でしょ」
「だから。変態さんの方がインパクトがあるから」
「それでなの」
「ああ、あの漫画もインパクトがあったんだろ」
「それで読まれてたのね」
「そうじゃね?」
 美優はそこにも答えを求めて里香に話した。
「あの漫画は」
「インパクトなのね」
「正直あたしもあの漫画好きじゃないよ」
 理由は簡単だ、面白くないと感じたからだ。美優の答えは里香のそれよりもシンプルであることが多いがこの場合もだった。
「けれどインパクトはな」
「あったわよね」
「だから読まれたんだろ」
「インパクトなのね」
「うちの学園だってそうだろ」
「インパクトの強い人多いわね」
「個性派揃いだからな、うちの学園」
 まさにと言う美優だった。
「びっくりするみたいな人普通にいるしな」
「とんでもない人含めてね」
「よくも悪くもうちの学園個性的だよ」
「インパクト第一ね」
「チョコレートでもバンドでもさ」
 そのどちらでもだというのだ。
「まずはそれだろ」
「じゃあバレンタインのチョコも」
「インパ
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