第二章
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「ちっとも」
「というか探しているか?」
「探してはいるよ」
とはいってものんびりとした笑顔のままだ。
「俺だって」
「しかしあまり熱心ではなさそうじゃな」
「何かね、焦らないね」
その性格故である。
「俺らしいって言えばらしいけれど」
「そう見えるのう、実際に」
「ああ、俺だって相手は欲しいけれどな」
「ではもっとな」
「熱心にか」
「気合を入れてな」
探してはどうかというのだ。
「探してはどうじゃ」
「そうしてるつもりだよ」
「あまりはそうは見えぬからな」
「焦ってないのは確かだよ」
このことは彼自身も認める、実際にそうだからだ。
「この村にはいないみたいだな」
「御前さんがこれだと思う相手はか」
「子供だったりもう結婚していたり婆さんとかばかりだからな」
「大体この村は皆結婚が早いからのう」
「ああ、じゃあこの村は無理だよな」
「隣の村はどうじゃ?」
サル爺さんはこうノドムに提案した。
「ここは」
「隣村か」
「そうじゃ、一度行ってみたらどうじゃ」
「それもそうだな、じゃあな」
「思い立ったら吉日じゃ、それにじゃ」
「それにか」
「言葉に乗る、それもな」
具体的にはサル爺さんの今言った言葉だ、それにだというのだ。
「機会じゃぞ」
「節目か」
「それをどう活かすかは御前さん次第じゃ」
「この話に乗るかどうかもか」
「そうじゃ、どうするかじゃ」
「そうだな、それじゃあな」
ノドムは爺さんの言葉に乗った、そしてだった。
実際に隣村に行ってみた、この村にはノドムの知り合いもいて何度も行ったことがある、だから馴染みの場所である。
そこに彼は爺さんと一緒に来た、そこでだった。
彼はだ、老人にこう言った。
「ここに誰かいればいいよな」
「そうじゃな、実はな」
「実は?」
「わしもこの村に来たのは久し振りでな」
「誰がいい娘いるかどうかはか」
「知らん」
ノドムに顔を向けての言葉だ、背はノドムの方が十センチ程高い。
「悪いがな」
「何だよ、知らないのか」
「だから今から探すか」
「やれやれだな、けれど付き合ってくれるんだな」
「御前さんとは古い付き合いでしかもいい奴じゃ」
だからだというのだ。
「一人でいていい奴ではないからのう」
「悪いな、そうしてくれて」
「言い出したのはわしじゃ、だからな」
「気にするなってか」
「そうじゃ、ではな」
「今からか」
「探すぞ、相手をな」
こう話してだ、そしてだった。
二人でその隣村を歩いてだ、いい娘を探した。見ればこの村も二人がいる村と同じで子供かもう結婚しているか婆さんばかりだ。それでノドムはやれやれといった顔で爺さんに言った。
「この村もいないか?」
「ううむ、おら
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