第四章
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な」
「逃げるんですか」
「そう仰いますか」
「そうだ、いいな」
もう逃げるという言葉も隠さない司令だった、ここにも今のドイツの戦局が出ていた。
「わかったら下がるぞ」
「はい、わかりました」
「仕方ありませんね」
パイロット達も頷くしかなかった、それがどうしてかは彼等が最もよくわかっていた。それで彼等もだった。
設備を破壊し後方に退く将兵を見送ってからだった、それぞれの愛機に乗り空港を後にした。最後に滑走路を爆撃してそこも使えなくしてからだった。
西、つまり後方に下がる。そこで言う言葉は。
「またここに戻れればいいな」
「ああ、何とかな」
こう話してだった、彼等は撤退するのだった。東部戦線の戦局はドイツにとって悪いものになる一方だった。そして。
その辿り着いた空港でもだった、彼等は。
出撃する毎日だった、それで空で言い合うことは。
「今日もイワンの奴等にサイレン聴かせてやるか」
「ああ、盛大にな」
苦しい戦局でも戦う彼等だった、そして。
戦車の大軍の真上に来てだった、それぞれ。
急降下攻撃に移りその独特の急降下音を響かせる。何時かまたドイツが攻勢に出られる日を待ちながら。今日も命懸けの攻撃を続けるのだった。
スツーカ 完
2014・2・21
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