第二章
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「よい犬を手に入れられましたね」
「うん、とてもね」
「いい子みたいね」
「ただいい子ではないですよ」
店長は夫婦ににこやかにこうも言った。
「幸せをもたらせてくれますから」
「ああ、犬と一緒にいるとね」
「楽しい気持ちになれるから」
「それだけではないです?」
「?というと」
「一体」
「それは一緒にいればわかります」
この犬と、というのだ。
「次第に」
「ううん、どういう意味かなそれは」
「次第にって」
「まあいい子なのは確かですから」
店長はいぶかしむ二人に多くは語らなかった、だがだった。
それでもいい犬だったので一家は飼うことにした、そして実際にグリーンという名前を付けてそれで一緒に住むことにした、グリーンの名付け親はアーサーだった。
「だって僕緑色が好きだからね」
「だからグリーンにしたんだな」
「そうなのね」
「うん、好きな子にはね」
家の中でも一緒にいるグリーンの首を抱き締めながらの言葉だ。
「好きなものの名前を付けたいから」
「だからだな」
「グリーンね」
「全然吠えないし噛まないし」
グリーンのすぐ近くにいてもだ。
「言うことも聞いてくれるし」
「うん、この子はかなりいい子だな」
「頭がよくて性格もいいわね」
両親もグリーンのそのことを察して笑顔で言う。
「この子ならな」
「アーサーのいい友達になってくれるわね」
二人はグリーンが家に来てこのことをさらに確信した、実際にだった。
グリーンは素直でしかもだ、とても大人しく。
散歩中にも誰にも吠えないし噛まない、向かっていくことは全くしない。
家族以外の人や動物達に出会っても寄って尻尾をぱたぱたと振る。彼にリードを付けて一緒に散歩をするアーサーも笑顔で近所の人に言う。
「この子凄くいい子なんだよ」
「ああ、そうだね」
「この子は凄くいい子ね」
「吠えないし噛まないし」
それにだった。
「僕が行くところに一緒に来てくれて」
「自分の行きたいところに行かないのか」
「我儘もしないのね」
「全然しないよ」
我儘もだというのだ。
「お散歩の時もいつも僕に従ってくれるんだ」
「そうか、本当にいい子なんだな」
「他にいない位に」
「そうなんだ、最高にいい子だよ」
アーサーはここでもグリーンの首を抱く、グリーンはその彼に応えて抱かれている首を彼に近寄せて尻尾を振っている。
「僕アーサーとずっと一緒にいたいよ、それにね」
「それに?」
「それにっていうと?」
「うん、グリーンがお家に来てからね」
その時からだ、どうなったかというのだ。
「僕にもお父さん達にもいいことばかり起こってるんだ」
「いいこと?」
「いいことっていうと」
「僕学校でもお友達が一杯出来て
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