第三章
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「その事件の謎を解いて欲しい」
「頼むよ」
「そういえばこの町は」
ここでだ、デュパンは夜のその町の中を警官達と共に見回しながらこう言ったのだった。
「革命の時は多くの人が死んでいますね」
「ああ、民衆が蜂起してな」
「軍が出て鎮圧をしたよ」
革命の方針に反対してだ、民衆が蜂起したのだ。革命の時にはこうしたことがフランスのあちこちで怒起こった。
「ジロンド派が起こしてな」
「ロベスピエールが鎮圧させたよ」
「そうでしたね、それで多くの民衆が殺されましたね」
「我等の閣下が鎮圧された」
フーシェだ、ナポレオンの内政の柱であり警察大臣を務めている。恐ろしいまでに頭の回転が早く政治的には冷徹で尚且つ平然と謀略を企み相手を陥れる人物だ。
「そして多くの者がギロチン台に送られた」
「中には女もいれば蜂起に関わっていない者もいたらしいな」
「そうですね、ここにですね」
ここでだ、一行は広場に来た、町の中央の広場だ。
その石畳の広場を見つつだ、デュパンは警官達に問うたのである。
「ギロチンがあったんですね」
「今でも処刑があればここに運ばれてな」
「処刑されるさ」
「そうですね、ところで美女が出て来る場所は」
今度はこのことをだ、デュパンは警官達に尋ねた。
「何処でしょうか」
「町のあちこちだよ」
「時間は真夜中だけれどな」
まだ夜になって少しだ、だから出て来ることはないというのだ。
「場所は決まってないよ」
「あちこちに出るよ」
「そうですね、では」
「では?」
「ではというと」
「大体わかりました」
デュパンはここまで聞いてこう言った。
「この事件のことは」
「えっ、もうなのか」
「もうわかったというのか」
「大体ですが」
そうだとだ、彼は自分の言葉に驚いた警官達に答えた。
「わかりました」
「おい、今町に来たばかりだぞ」
「それでわかったのか」
「はい、それではです」
広場の中央、ギロチン台が過去あり今も何かあれば置かれる場所を見つつだった。デュパンは警官達に話した。
「明日の夜ここにまた来ましょう」
「今日はもう終わりか」
「見回らないのか」
「宿はどちらでしょうか」
「もう用意してある」
「そこに入ろうか」
「では。ここでその美女の方にお会いしては事件は解決出来ません」
理由は簡単だ、美女を見ると自殺してしまうからだ。事件の謎がわかっても死んでしまっては意味がないのだ。
それで今は宿に入ろうというのだ、警官達もデュパンが事件を解決出来るのならだった。
異論はなかった、それでだった。
一行はその宿に入った、デュパンはこの日は外に出ずただ書を読んでいた。そして次の日の夜になるとだった。
警官達にだ、こう言ったのだった。
「で
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