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ギロチンの女
第二章
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「陛下が言われたことならな」
「間違いはないな」
「あの方の人を見る目は確かだからな」
「それならな」
 今回の事件の謎も突き止められるというのだ、警官達はナポレオンを崇拝していた。だから彼の言うことならというのだ。
「今回も間違いないな」
「そのデュパンという人物ならな」
「ああ、問題の謎を解いてくれる」
「それから町の問題を解決してくれるな」
 まずはナポレオンの言う通りにすることにした、そしてだった。
 彼等はその古い家に夜に赴いた、そしてドアをノックするとだった。
 一人の青年が出て来た、落ち着いて気品のある物腰で整った身なりだがその肌の色はやけに白い。日の光に当たっていない感じだ。
 その彼がだ、警官達に微笑んで言ってきた。
「何か御用でしょうか、犯罪捜査の依頼でしょうか」
「何だ、もうわかっているのか」
「今話そうと思っていたんだけれどな」
「私は少なくとも犯罪をしている覚えはありません」 
 青年、シラノ=ド=デュパンは笑って警官達に述べる。
「冤罪なら警官の方々は強張った顔で来られます、しかし貴方達は今そうしたお顔ではありません」
「だからか」
「犯罪捜査の依頼とわかったのか」
「はい」
 それでだというのだ。
「ではお話をお聞かせ下さい」
「それではね」
「今から」
 警官達も応える、そしてだった。
 警官達はデュパンの家、窓はすっかり閉められ香りの強い蝋燭の灯りで照らし出されている家の中に入った、そのうえでだった。 
 町の事件のこととナポレオンからの依頼のことを話した。デュパンは全て聞き終えてからこう彼等に言った。
「わかりました、それではです」
「この依頼を引き受けてくれるか」
「陛下からのお願いを」
「面白いお話ですね」
 微笑んでだった、デュパンは警官達に答えた。
「興味が湧きました」
「ということはだ」
「この話を」
「受けさせてもらいます」
 是非にという口調での返答だった。
「僕は夜が好きなのです」
「昼ではなく夜がか」
「君は好きなのか」
「夜にこそ世界の真理があると考えています」
 それ故にというのだ。
「ですからこの依頼受けさせてもらいます」
「では町に行ってくれるのか」
「そのうえで事件の謎を解いてくれるのか」
「はい、では窓を全て閉じた馬車を用意して下さい」
 デュパンは警官達にこうも言った。
「その中で読書をしながら行きたいので」
「景色を観ないのか、途中の」
「旅はそれが楽しいというのに」
「昼の世界には興味がありません」
 微笑んでだ、デュパンはその白い顔で警官達に答えた。
「ですから」
「ううん、そこでも夜か」
「君は本当に夜が好きなのだな」
「夜は僕の最も古く親しい友人です」
 こうも言う彼
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