第八話 Xasarda
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くださいねー。 報酬はNPCからもらってください!」
それだけ口にして、二人はその場から消える。
……二度とやるかよ、こんなクエスト……!
心の中に、なんとも言えない後味の悪いものを残して、俺はただ、ヤツらが消えた空間を見る。
「アルス、終わったの?」
隣に掛けてきた玖渚が、俺に対してそんな疑問をぶつける。
「……このクエストは、な」
そう口にする俺ではあったが。
なんとなく、わかっていた。
クエストは終わっても、あいつらとはまだ終わってない。
これから先も、会うことがあるであろう可能性を……。
―――――
「いやしかし、いささか遊びすぎたようだ。 同じギルド名ということで少し興奮してしまったよ。
しかし実力を測ることには成功した。 それに、ユイツー。 彼らのデータはもう出てるんだろう?」
とある層の洞窟の奥深くの圏内エリアで、ザサーダがそう口にすると、ユイツーは無邪気な笑顔で言葉を返した。
「そうですね。 データはアイテムとして送っておきますよ。 ただ私はあくまでもバグで、端末ですから、あまり出た真似はできません。
あくまでもあのクエストを受け持ってるだけですから、今みたいなエリアじゃ殆ど無力です。
カーディナル側からも先ほどのプロテクトに対して警告が来てますし。 職権乱用は控えないといけないですね」
「いやいや、今のままでも十分だよ。 さて、このアイテムはウチのギルドにメンバーにも配っておくとしよう。
グリュンヒル使いのアルス、泥棒の玖渚。 この二人は、将来的に障害になる確率が高そうではある」
そう言ってザサーダは先ほど得たアイテムを開き、データを観覧する。
そんな中。
風切り音と共に、一人の影がその場に現れた。
「成る程。 この二人に存在が知られたのは痛いところではあるな。 ザサーダ。
我らDiracは、あくまでも影の存在でなければならない」
その言葉を口にしたのは、その場に現れた影こと、天国の扉。
ただ無表情で、ザサーダの観覧しているデータを、背後から確認した。
そこに、さらに、グリーンポインターと、オレンジポインター二人の影が現れる。
「全くですよ、天国の扉。 あくまでもこっちは表面上はいい人なのでね。
こんなところで表の信用をなくしたくはありません」
新たに現れた一人の男性がそう口にすると、隣にいた別な男性も笑みを浮かべる。
「まぁ俺はどっちでもいいんだけどよ。 しかし、アルス、ね。 しかもグリュンヒル使いと来たもんだ」
そう口にして、男性はザサーダの前へと現れる。
その男性を見て、ザサーダはニタと、笑みを浮かべた後。
「やぁ、始めまして。 天国の扉から話は聞いてるよ、君がDiracの序列三位だね。
確か、
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