第八話 Xasarda
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たホースキラーを二、三度、真紅のエフェクトを輝かせながら振るった後。
こちらに向けてその矛先を見せて、魅せた。
「まずは自己紹介をしよう。 私の隣の彼女はユイツー。 このクエストの支配者で、私のパートナーだ。
そして、私は……」
そこで女性は一度区切った後。
冷ややかな笑みを浮かべながら、その名を、口にした。
「レッドギルド『Dirac』序列四位、MPKのザサーダだ」
【Dirac】[序列四位]
[MPK]
Xasarda[ザサーダ]
―засада―
《伏兵》Lv50
ディラック……!?
俺らのギルドの名前と同じじゃねーか……!
嫌な偶然もあったもんだ……。
いや、実際ネトゲでは同じようなギルド名が被るのは珍しいことじゃない。
英語か漢字かでも変わってくるわけだしな……。
「俺は、ギルド『ディラック』、グリュンヒル使いのアルスだ!」
「同じく、『ディラック』、泥棒の玖渚!」
同じく自己紹介を済ますと、ザサーダは笑みを浮かべ。
「成る程、偶然というのはあるものだな。 よもや同じ名前のギルドとは。
これは中々期待せざるを得ないな!」
ザサーダは叫ぶと同時に、そのホースキラーを地面へと音を立てながら振るうと。
その音に反応したように、周りで待機していた、黒猫団のゾンビ共が一斉に襲い掛かってきた!
五対二。
しかもあっちは、装備を見たところ、盾役あり。
あんまり気は進まねぇが……、先に盾役を買ってるサチを潰すしかなさそうだな。
「玖渚、聞け! まずはサチ……いや、あの盾役のゾンビから潰すぞ!」
「了解! さっきの分はここで挽回するよ!」
二人でターゲットを盾役に絞り、他を無視して攻撃を開始する。
だが、その前に。
突如、俺の前にノックバックが発動し、盾役の前から飛ばされた。
「ッ!? なんだ!?」
あたりを見渡すと、ザサーダが、怪しく笑っていた。
もしかして……アイツ……!
「一人を集中して狙うのは頂けない。 五人もいるのだから、同時に踊ってみるべきだ。
でなければ興が削がれてしまう……」
エフェクトを振りまきながら、槍をその場で振り回すザサーダを見て、ようやく理解した。
あのホースキラーという槍に注目してばかりだったが……。
あいつは、槍使いじゃない……!
このゾンビを操る……ビーストテイマーだ……!
さっきのノックバックも、恐らく、盾役に目が行っていた俺達を止めるために。
視界の外から他のやつに、ノックバック発生攻撃を意図的にかましたな……!
しかし、そんなことを思ってる間にも。
「っうお! あぶねぇ!」
四方八方から、ゾンビ共の攻撃の雨!
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