第八話 Xasarda
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徐々に三日月に変化する口元と、徐々に顔に影を作りながら。
「いやぁ、面白いですよね。 人の感情が動く様は。 負の感情で苦し、悶える様は……! AIとして非常に勉強になりますよ。
私の生みの親、カーディナルも素晴らしい世界を作ってくれたものです。 ここは楽園なんかとは程遠い、まさに地獄ですよ」
そう口にして、怪しく、不気味に笑ったかと思うと。
「そんな中でこそ、そんな地獄でこそ、私のようなカウンセリング用、精神的ケアを司る存在が必要なんですよ!
全てのプレイヤーが私を必要としてくれる、私無しでは生きられない。私という存在が最重要視される!
そんな環境、それを、もっと前面に押し出すべきなんです!」
興奮した様子で、そう口にすると、少女、否、MHCP001-2は、少しだけ落ち込んだ後。
「けれど、残念なことに、地獄はまだ完成していません。 このクエストの中は地獄でも、外の世界はいつも通り。
それじゃ私はつまらない。 だから、カーディナルと約束したんです、このクエストで100人を傀儡にすれば、私は夜中限定で外に出られるって!
しかも、この傀儡達を連れて、外に出れる! 故に、完成するんですよ! 私が! この私、ユイツーが! 最も必要とされる世界が!」
それだけ言って、MHCP……、いや、ユイツーは、抑えられなくなった笑いを溢すと。
隣にいた女性が、手を叩いた。
「いやいや、素晴らしい、あまりにも素晴らしい発想。 彼女の存在意義を最も生かすことの出来る世界で、彼女は最もそれを望んでいる。
ならばそれを叶えさせてあげるのが我々プレイヤーの役目だ。 NPCが望むことをクリアしてこそのクエスト。
それを仲間達とこなしてこそのオンラインゲーム。 故に私は彼女を支持する。 そのための条件達成を手伝いながらね」
そう言って女性は、こちらを見た後、ニタ、と冷ややかな笑みを浮かべた。
……コイツら……。
「イカれてるよ……! NPCが、AIが生きてる人を殺してまで自分の存在意義を確率させるなんて……」
俺が口にする前に、玖渚がそれを口にする。
まぁ、確かにイカれてはいるわな……。
しかし非常にわかりやすくてよろしい。
「とりあえずなんだ、アンタらは、俺らをPKでもしようって口なんだろ」
ため息をつきながらそう言って武器を構えると。
女性は含みのある笑みを浮かべた後。
「PK? いやいや、私はそんなダイレクトなことはしない。 故に、このグリーンポインターだ。
あくまでも合法的に、合理的に、君たちをこの場から消させてもらおうと思う。
ああ、先に言っておくが、この空間は転移結晶は使用不可能だ。 逃げるなら後ろにある扉から逃げたまえ。
あくまでも、ここはボーナスステージなのだからね」
そう口にして、女性は手に持っ
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